寒い日が続きますね。お変わりありませんか?
コタローです。
山も紅葉から雪へと変わりました。
栗原市一迫町で、野菜の水耕栽培と減農薬・減化学肥料で育てられるブランド米「伊達の米」の生産に取り組んでいる有限会社「耕佑」。
代表取締役の山村喜久夫さんに、働きがいのある農業と職場づくりについてお聞きしました。
「耕佑」は、平成2年に宮城県の「農業・農村活性化モデル事業」に選ばれて事業を開始しました。
この事業で、山村社長は野菜の水耕栽培に取り組み始めました。1年を通して市場に安定した品質と出荷ができるからです。
今や耕佑のサラダ菜は安定した生産量と品質が評価され、仙台などの市場で高い評価を得ています。
耕佑の水耕栽培の施設は、平成20年6月に起こった岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けました。震度6強の大きな揺れで地下の配管が破損したのです。
その復旧の途中だった昨年3月11日、東日本大震災の震度7の地震で、培養液を送る配管やビニールハウスの基礎、敷地のアスファルトなど施設全体が大きな被害を受けました。
培養液の配管は地下に埋めてあるため、破損部分の特定がとても難しいそうです。
停電と燃料の不足、培養液の配管の破損などで、生産していた野菜は枯れてしまいました。
耕佑の社員の皆さんは、自分たちも大きな地震被害を受けたにもかかわらず、同じく大きな被害を受けた他の農業法人の復旧も支援しました。
自社の復旧もなかなか進まず施設再開までに時間がかかったそうですが、津波被害を受けた沿岸地域に野菜を贈って支援もしました。
今年は山村取締役、そして社員の皆さんの努力が認められ、「JA栗っこ 家の光文化賞農業賞農業大賞」と「第61回全国農業コンクール優秀賞」の2つを今年受賞しました。
サラダ菜、サンチェ、ミズナなどの野菜が衛生管理のなされた施設の中で作られ、1年を通して安定した価格で私たちの食卓に届けられています。
私たちが手軽に安心してサラダを食べられるのは、こうした生産者の皆さんの努力の上にあることに感謝し、命を育んでいく食品の安全と安定供給をこれからも続けてほしいと思いました。
(取材日 平成24年11月19日)