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仮設住宅における被災者支援(仙台市)

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えみです。
最近、急に寒くなってきましたね。日が沈むのも早くなると寒さもいっそう感じますのでしっかり寒さ対策をして出掛けたいものです。



3.11の震災の被害によってたくさんの方が住み慣れた家を失いました。
震災、津波によって一瞬にして大事な人のみならず大切な思い出が詰まった家がなくなってしまう。住み慣れた土地•家との突然の別れはどんなに辛かったでしょう。
そして避難所生活から仮設住宅へと住まいを転々とし、身体的精神的にも休まる日もなく大変辛い時期だったと思います。

本日は仙台市内の定禅寺通り沿いのビルにあるエル•パーク仙台に行ってきました。ここで「仮設住宅における被災者支援」を行なっている一般社団法人•パーソナルサポートセンターの活動報告会が開かれました。





震災から1年半たち、仮設住宅における新たな問題も出てきているのではないでしょうか。仮設住宅の現状を再確認し、復興支援のあり方を考え話し合いたいと思いますという趣旨で報告会が行われました。
報告を行うのは震災後から「仮設住宅における被災者支援」を続けている一般社団法人•パーソナルサポートセンター マネージャーの芳賀ヒロ子さんです。









仮設住宅における被災者支援 パート2
講師..... 一般社団法人•パーソナルサポートセンター
      マネージャーの芳賀ヒロ子さん
企画...... 北京JAC仙台


一般社団法人•パーソナルサポートセンター
 http://pekinjac.or.tv/publi



一般社団法人パーソナルサポートセンター(PSC)は、仙台弁護士会有志やホームレス支援に取り組むワンファミリー仙台や仙台夜回りグループ、萌友など、さまざまな分野のNPOが集まって2011年3月3日に設立された団体です。生活上のさまざまな困難を抱えた人たちに長期間寄り添い、暮らしを立て直す伴走型の支援を続け、自立を手助けしていきたいと考えています。....................HPより





活動報告を聴きに来た方は残念ながらわずか10数名でしたが、
仮設住宅の現在の状況がとてもよくわかり、勉強になりました。



一般社団法人•パーソナルサポートセンター マネージャーの芳賀ヒロ子さんの
活動報告がスタートしました。






一般社団法人パーソナルサポートセンター(PSC)はホームレス支援団体や、貧困問題に取り組む弁護士たちと連携し、2011年3月3日に設立しました。
しかし直後の11日に東日本大震災が発生したので仙台市から仮設住宅の見守り事業をPSCが受託し被災者支援も同時に行なうことになりました。緊急雇用により昨年6月から採用した仮設住宅の見守りをしていただいている「絆支援員」は現在60名おります。


◎安心見守り恊働事業

仙台市と連携し、市内の応急仮設•みなし仮設など合わせて650世帯の見守りをしており、孤独死•自殺死•社会的孤立の防止•生活支援に取り組み、成果を見ました。

しかし絆支援員は男女ペアで仮設住宅を訪問しておりますが、各家庭の様子が読めなく、何回も通い続け信頼を頂くまでに時間が必要でした。また仮設住宅に入居されている方の多くはストレスを抱えております。何らかの障害を持っておられる方もおり、仮設住宅という慣れない狭い環境に住む中でさまざまな問題も起きています。
アルコール依存症•高齢者の単身•30〜40代の引きこもり等、周りのサポートが必要な方々も多く住んでおられるので、頻繁に訪問し、決して押しつけではなく寄り添いながら今後もサポートしていきたいです。

今までの住んでいた環境では大きなトラブルも無く普通に生活できていた人でも、生活が一変しストレスがたまり続けると近隣同士で小さいことでも大きな問題に発展することがあります。

問題解決にあたり、行政や児童相談所•社会福祉協議会•医療機関•PSCなどが一つのテーブルを囲み問題解決に努力しております。


◎コミュニティ創出事業
また、コミュニティ作りと就労困難者の方々に対し、手仕事や軽作業等の中間就労の場を提供しました。
2011年12月あすと長町26街区に作業所「え•ん•が•わ」を開設し生きがい作りの支援に取り組みました。クッキーやぬいぐるみ製作など、各々の得意分野で収入を得、、さらにイベントを通して仲間づくりに勤めました。


◎生活支援事業
仕事や生活上での悩みを抱えた人たちからの相談に対して、専門家(暮らし再生プランナー)からの助言のもと世帯に合わせた専門的な機関やプログラムを紹介しています。就労や生活再建までの手助けを行なっています。


◎就労支援事業
仮設住宅に入居された方向けの就労支援•仕事作りを実施します。作業所「え•ん•が•わ」を中間就労の拠点とし、2012年6月には就労支援相談センター「わっくわっく」が開所しました。履歴書の書き方•体験就労等の場を提供し指導したり、企業に向けたマッチング業務のサポートをしております。
開所して3カ月未満ですが相当の方々が就労につながっております。
就労支援のみならず、将来的にも伴奏型の支援を行い、就労と生活再建までの手助けを考えております。


仙台市との「安心見守り協働事業」
絆支援員の方が訪問時にいつも持ち歩き、
これをお見せして相手から信頼を得ているそうです。




報告会が終わり、芳賀さんにインタビューしました。


1.仮設住宅に住んでいる方々を見守りする上で大変なこと、そして大事なことはなんでしょうか?


(芳賀さん)
絆支援員は仮設住宅に住んでおられる方がどんな方が住んでいるか等全く情報は入って来ません。表札を見て名前しか分からない相手に信頼されてお話してもらえるまでにも長い期間を要します。
しかし、「会いたい!あなたが大切なんだ!心配なんだ!」と相手に気持ちを伝える心を常に持ち続け見守りをするといつか心が通じます。
今の状況を聴いてあげて、「将来的にどうしたいか?」「心配事はないですか?」と質問し、相手が自分から答えてくれるまで忍耐強く一件一件回ります。
そして仕事や生活上の悩みを抱えた人たちの心の負担にならないような、個人個人に合った就労と生活再建までの伴走型支援を続けていきたいと思っております。



芳賀ヒロ子さん(中央)と北京JAC仙台のみなさん



あなたの5年後の生活が豊かであります様に!



取材を終えて...........................................


仮設住宅に入っている方の情報は個人情報なので全く分からず訪問する時はゼロからのスタートです。しかし絆支援員が定期的に訪問することにより、入居されている方の現在の状況等を知り、信頼関係が生まれ心を開いて悩みを相談してくる方が何人もいるという心温まるお話を聴くことができました。入居されている方は境遇や考え方等も全く違ういろんな人が住んでいるので絆支援員の方々の大変さが感じ取れます。

応急仮設住宅に住んでいる方の約4割が何らかの障害を持っていたり、問題を抱えていることがアンケートにより分かったそうです。そういう方々はなかなか絆支援員が伺ってもドアも開けてもらませんし、話そうとはしません。もちろんどんな方が住んでおられるか分からないので、常に心の準備はしているそうです。

震災によって生活が一変し、今までとは全く環境が違う仮設住宅に住んでいる方々のご苦労やストレス。そしてその方々を支える絆支援員の方々の大変なご苦労。お話を伺って、メディアでも放送されない仮設住宅の現状を知ることができました。

支援される側と支援する側。立場は全く逆ですが、人は一人では生きていけません。つらく困った時だからこそお互い相手を信頼し、助け合いながらこの時期を乗り越え前向きに将来を考えて過ごしてほしいと思いました。

芳賀さんの「生きているんだね」という一言は、長い人生ではいろんなことが起こりうるのでお互い困った時ははげまし、助け合うことが大事だ、というメッセージ。
心が通じあえる人間だからこその言葉だなあと考えさせられました。


(取材日 平成24年11月24日)



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