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ヘリコプター搬送で遠隔地の医療格差の減少を(気仙沼市)

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こんにちはkaiiです。
今年は、例年より2週間ほど遅れて梅雨入りした気仙沼です。例年の降水量の70%ほどしか雨が降っておらず、夏の水不足が心配です。

ところで、皆さんは「民間医療用多目的ヘリコプター」をご存じでしょうか?

気仙沼市では平成25年10月から、NPO法人(All Round Helicopter オールラウンドヘリコプター、以下ARH)が、気仙沼市から都市部の医療機関への患者の搬送や災害時の対応などのためにヘリコプターを運用しています。

「民間医療用多目的ヘリコプター」として
ARHが運航する「JA9347」機
東日本大震災が発生した2日後の平成23年3月13日、支援物資を運んだ民間のヘリコプター「JA9347」機が、石巻市と気仙沼市の上空を飛びました。

震災から2年が過ぎた平成25年、その機体が「民間医療用多目的ヘリコプター」として気仙沼市へ戻って来たのです。
平成25年10月からは、NPO法人ARHがこのヘリコプターを運用しています。

最大定員6名(患者搬送のためのストレッチャー搭載時は4名)
患者の搬送時には救急救命士も同乗します

気仙沼市は震災前から交通アクセスが悪く、都市部の医療機関までは救急車での搬送でも2~3時間を要します。
しかし、ヘリコプターで搬送すると、搬送時間は30分ほどに短縮されます。
この時間の短縮が、傷病者の救命率や社会復帰の向上につながります。

「医療格差の解決に空からの新たな挑戦」と話す
ARHの救急救命士 渡部 圭介さん
ARHの救急救命士、渡部圭介さんは、
「この地域であきらめられている命を、ヘリコプターで搬送することで救えます。東日本大震災後、医療機関の減少、医師の不足などが、震災前より深刻さを増し、三陸沿岸地域と都市部の医療格差は大きくなっています。医療格差の解決に向けて、空から新たな挑戦です」
と話します。

ヘリコプターの格納庫


ARHの活動は、全国どこでも同じ医療を受けられることを基本理念としています。
平成25年10月の本格運航開始以来、365日いつでも出動可能な体制を維持していましたが、資金の確保が難しいなどの理由で、毎月、第2週と第4週のみの隔週運航体制になっています。

震災から4年が過ぎ、震災に対する、社会の関心が薄れてきていることなどもあり、寄付金の減少などで事業資金を集めることが難しくなっています。

「ヘリコプターでしか救えない命がある」として、ARHはサポーターを募集しています。

http://arh.or.jp/

ARHの事務局を勤める熊谷裕基さんは、
「ヘリコプターは、特別な移動手段としてのイメージが強く、まだまだなじみの薄い存在かと思います。しかしながら、災害や医療の現場では、今よりもっともっと民間のヘリコプターを活用できるシュチュエーションがたくさんあります。」



「少しでも興味のある方は、ぜひとも気仙沼のARHヘリポートまで遊びに来てください」と話します。

ARHの活動は、傷病者の搬送にとどまりません。
宮城県漁業協同組合と協定を結び、宮城県北部沿岸地域で海難事故などが発生した際には、事故状況の確認や情報提供などの活動も行っています。

15m四方のARHのヘリポート
今回の取材を通じて、ヘリコプターが15m四方のヘリポートから離着陸できることが分かりました。
現在、気仙沼市内には、ARHヘリポートを含めて4カ所の、ヘリコプターが離発着ができる場所があります。
気仙沼市からは燃料が満タンの状態で、南は大阪府まで、北は北海道まで飛行が可能です。


ARHの医療用多目的ヘリコプターは、気仙沼市だけでなく、南三陸町、岩手県奥州市などでも運用されています。

「全国どこでも同じ医療を受けられること」を基本理念に活動するARHの活動に理解が深まり、資金難のため、現在、隔週で行われている運航が、365日運航ができる体制に整うことを願います。

ARHでは、活動を応援してくださる年間サポーター会員を募集しています。会員になるとARHの医療用多目的ヘリコプターに試乗できるチャンスもあるそうです。
多くの皆さんのご協力をよろしくお願いします。


(取材日 平成27年6月15日)

第六回入谷塾が開催されました(南三陸町)

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こんにちは。kaiiです。
平成27年6月27日、バス高速輸送システム(BRT)気仙沼線が石巻市前谷地駅まで延伸されました。気仙沼市から仙台市までの所要時間がおよそ20分短縮されます。

平成27年6月27日からバス高速輸送システム(BRT)が
石巻市前谷地駅まで延伸されました


さっそく、延伸した気仙沼駅発前谷地行きのBRTに乗車して南三陸町入谷地区で行われた「第六回入谷塾」へ行ってきました。

入谷塾は、南三陸町の人たちの健康をよりすばらしいものにして、より早い「復興」に繋げていきたいと考えた有志の人たちによって始められました。



入谷塾の開催された、平成27年6月27日は、雨が強く降る肌寒い1日でした。
南三陸町内外から60人ほどが参加し、「入谷塾~在宅医療カレッジ@南三陸キャンパス~南三陸入谷塾セミナー」が開催されました。

開会前の「入谷塾」の様子


まず始めに、公立南三陸診療所レディース外来の中村幸夫医師が、過疎地域の医療格差と医療資源の疲弊軽減のために気仙沼市で活動している民間医療用ヘリコプター(ARH)の運用の大切さについて話しました。
現在、資金難のため隔週の運行になっているARHの活動のために、寄付金付の帽子やTシャツなど購入のお願いの案内をしました。

資金難の気仙沼市の民間医療用ヘリコプター(ARH)の寄付金付のTシャツの
購入の案内もされました



そのあと、東京都で在宅ケアを行っている医療法人社団悠翔会理事長で、内科診療部長の佐々木淳医師から「最後まで自分の口で食べて、自分の足で歩くために」と題して、在宅ケアについて学びました。


日本の外来医療は世界的にも恵まれた環境にあること、反面で、外来診療を受けることが困難な高齢者が増えていることが報告されました。

在宅医療は、予防的治療と看取りの支援を診療の中心にし、救急医療を含む、医療全体の負担の軽減を目的にしていることなどが話されました。


加齢は人間が避けられない宿命です。
その自身の宿命にどう向き合い「人生を充実されて生きるか」について、在宅ケアの現場から報告しました。



南三陸町から参加した女性は
「町が復興した姿がみたいです。元気に年を取りたいですね」
と話していました。

近年、残薬を問題にする医療従事者が増えています。
これは、加齢により複数の疾患を抱えている人が多く、行動の緩慢や記憶力の低下などが原因で服薬の管理が難しくなり、複数の薬を大量に服薬することで起こる「医原性疾患」が生じるためです。

加齢により、できなくなることが少しずつ増えてしまうことはしかたのないことです。
「老い」とどう付き合うのか?
「入谷塾」は、住民が健康に年を重ねるための学びの場になっています。


(取材日 平成27年6月27日)

栗原の大地の動きを感じよう-子どもたちのジオパーク体験(栗原市)

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石野葉穂香です。

今から7年前に起きた「岩手宮城内陸地震」。
もちろん記憶されている方は多いと思います。

2008(平成20)年6月15日、午前8時43分、岩手県一関市祭畤温泉付近の地下約8000m付近で発生した、マグニチュード7.2もの巨大地震です。

栗原市が進める「栗駒山麓ジオパーク構想」。
日本ジオパークネットワークへの加盟を目指して、
現在、多彩な活動を展開中です
最大震度は、栗原市と岩手県奥州市で観測した震度6強。
瞬間的には、奥州市石淵ダム付近で震度7を記録したとも伝えられています。

一関市祭畤温泉付近で観測された最大加速度(地面がどれだけ強く揺れたかを表す数値)は、
4022gal(ガル)で、これは、日本国内での観測史上最大値。また、世界最大の加速度としてギネスブックにも掲載されています。
ちなみに、東日本大震災では約2900ガルで震度7、阪神淡路大震災では約800ガルで震度7でした。

荒砥沢ダム湖畔の「藍染湖公園」からは
今も残る地滑りの跡が見晴らせます
マグニチュードと震度、最大加速度、被害などを一概にまとめて語ることはできませんが、岩手宮城内陸地震の揺れは、世界史に残されるほどの強さだったのです。

「岩手宮城内陸地震」から7年と5日目となる6月20日、栗駒山の山懐を訪ねてみました。

この日は、栗原市立志波姫小学校の6年生たちの「栗駒山麓ジオパーク構想 栗原の大地の動きを感じよう」という学年行事が行われました。

荒砥沢ダム(手前)と、岩手宮城内陸地震で大きく崩れてしまった山肌
この地震で崩落した場所は、市域全体で3500カ所にもなります
(写真提供:林野庁東北森林管理局)
「ジオパーク」のジオとは地球のこと。
地形や地質、植生や生態系などをよく見て、知って、人々の暮らしも含めた人と大地と生態系の関わりを学び考える場所(パーク)です。

崩落してしまった栗駒山の山肌も、地震・震災の経験や記憶を伝える貴重な「遺産」であり「地域資源」です。
子どもたちの防災教育にも役立てながら、地域にある温泉や森や山岳の魅力、食文化、農村風景といった観光資源とも結びつけ、市全体の活性化を目指そうというもの。

「栗駒山麓ジオパーク構想」についてはこちらの過去記事をご覧ください。

2014年3月17日(月曜日)
「復興と再生のジオパークを目指して」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/03/blog-post_17.html

なお、栗原市は今年4月、「JGN(日本ジオパークネットワーク)」に対して加盟申請書類を提出。
5月には、JGN新規申請地域プレゼンテーションを実施しました。
今年9月には、その結果が出ます。

この日の行事も、JGN加盟を目指しての活動の一部。
地元の子どもたちに、地元・栗原の大地の成り立ちや地質や地形、ふるさとの風や土の匂い、魅力を知ってほしい、知るきっかけになってほしい・・・。
そんな思いも込められています。

ジオガイドの話を聞きながら、崩落跡を見学しました
授業は、荒砥沢ダムの湖畔にある藍染湖公園からスタート。
志波姫小学校6年1組と2組の子どもたちと親御さんたち約100名は、朝、志波姫小学校を出発後、ここに来るまでの車内で、同乗したジオガイドさんから「なぜ栗駒山は地震で崩れてしまったのか?」「地滑りとは何か」そして「ジオパークとは?」といった事柄についての説明を受けました。

そして湖畔公園では、栗原市ジオパーク推進室のスタッフが用意した実験装置を使って、地滑りが起きる様子や火山が噴火したときの溶岩の流れ方などを学びました。

「地滑りシミュレーション・ユレオ」を使って地滑り現象を勉強。
栗原市ジオパーク推進室のスタッフ手作りの実験装置です

ある清涼系キャンディをコーラに入れると中身が噴き出します。
その現象を利用した火山噴火実験で、土砂の流れを再現
また、山麓にある岩を砕いて化石を探す体験も。
この荒砥沢ダムがある一帯は、大昔は、巨大なカルデラ湖の底だったところだそうです。
今でも木の葉や木の枝、昆虫などの化石が見つかるのだとか。

現地周辺の岩をハンマーで割って、化石を探す化石発掘体験
この日見つけたものではありませんが、
このように木の葉がくっきりと浮かぶ化石が発見されることもあります
それにしても、この山並みが、かつては湖底だったということに驚きです。
どれほど大きな湖がここにあったの? 大人も子どもも想像力が刺激されます。

次に、「冷沢(ひやしざわ)崩落地」に移動。
ここは、車道ごと大地が崩れ落ち、尾根上で軽トラックが横転し、間一髪のところで転落を免れた場所でもあります。

周囲を見渡せば、まるで天から振り下ろされた巨大なスコップでえぐられたような土色の山肌が、今も広大な面積で残されています。

冷沢崩落地。トラックが亀裂にはまって横転した、まさにその場所です

土色の大地。この時期だけは夏草に覆われます
最後は「行者滝」を訪ねました。
高さは約30m。山懐の大きな森がはき出す水は、年中枯れることがありません。
かつての山岳信仰の時代、行者(山伏)や参拝者はこの滝で身を清め、栗駒山の「御室」にある駒形根神社(駒の神)奥院に詣でたそうです。

水は、硬い溶岩や岩の上を滑り落ちていきます。
でも、滝は1年間に1㎜ほど後退しているのだとか。
1000年で1m、滝ができたとされる4万年前から数えると、約40mも後退しています。

行者滝。二迫川となって山を下り、やがて迫川に合流し、
旧豊里町付近で北上川と出合います
ジオガイドさんのそんな説明を聞きながら、子どもたちは、この広大な大自然の中で何を感じたのでしょう?

「自分たちの住むまちにこんな場所があるなんて知らなかった」
「自然がすごく大きいと思った。もっといろんな場所へも行ってみたいと思いました」
「頂上にも行ってみたいな」
「あ、あたし行ったことあるよ、お父さんと。すごく景色がよかった」
「学校行事じゃなくてもまた来てみたいな」
「うん、楽しかった」

ジオガイドの藤村哲雄さんにもお話しを伺いました。
「まず子どもたちにジオパークというものを知ってほしいです。そして普通の観光とは違う視点も交えて、自然の中を歩く楽しさや奥の深さを知ってもらえたら。
7年前の岩手宮城内陸地震は、何万年も続く地球の歴史では、ほんの一瞬のこと。そんな時間やスケールの大きさを教えてあげたい。それはガイドとしての楽しみでもあります」

ジオガイドの藤村哲雄さん。
元国立一関高専の先生でもあります
栗原市ジオパーク推進室の室長補佐兼係長の佐藤操さんは
「地震はいつどこで起きるか分からない。被災した場所を見て、自分の身は自分で守るんだという自己リスク管理にも結びつけてほしい。また、内陸地震や大震災で頂いた支援に対しての感謝を忘れないで、今度は私たちが恩返しをしていく番。そのためにも、栗原の人や大自然の懐の深さを、まずは子どもたちに知ってもらいたいですね」

地震から7年。

道路や崩落地の復旧工事はほぼ終了しました。
でも、福島第一原子力発電所の事故によって拡散した放射能汚染の風評被害が、栗原市で観光業や農業に携わる人たちを、今も苦しめています。


土石流に宿舎が呑み込まれて
7人の方が亡くなった駒ノ湯温泉。
宿舎があった跡地を見下ろす樹林の中に
慰霊碑が建てられています

栗原市では観光業の復興にも力を入れています。
写真は、栗原市の新しい名物「いわな丼」
耕英地区の5軒のお店が、それぞれのアレンジで
おいしい丼を提供しています。
こちらは「数又養魚場」の蒲焼きバージョンです
東日本大震災の記憶さえ風化しつつある・・・と、言われている昨今。
まして岩手宮城内陸地震の記憶は、東日本大震災の発生によって上書きされてしまった感もあり、発信されるニュースも少なくなっています。

世界谷地原生花園のニッコウキスゲ
6月20日に訪ねたときは、もう花の盛りは過ぎていました。
このあとはタテヤマリンドウ、キンコウカ、コケモモ、ミツガシワ、
ミズギク、イワショウブ、エゾオヤマリンドウなどが
夏の高原を彩ります

登山コースの入り口「いわかがみ平」。
駐車場にはまだ雪が残っていました。
ここから山頂へは、初心者向けの「中央コース」で1時間30分。
健脚向けの「東栗駒コース」で2時間ちょっとです。
 
もうすぐ夏山シーズン。

地球の大きさ、大自然の豊かさ、宮城の大地の懐深さを感じたい・・・と思い、
今夏、私も栗駒山へ登ってみるつもりです。

またレポートしたいと思います。

(取材日 平成27年6月20日)

大震災を後世へ伝えるために~津波防災シンポジウム~(山元町)

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こんにちはエムです

去る5月30日に山元町中央公民館で行われたシンポジウムの「後編」です。

☆ーー☆ーー☆ーー 津波防災シンポジウム ーー☆ーー☆ーー☆
大震災から学ぶ教訓〜後世への震災伝承〜

前回の記事
====================
2015年7月5日 日曜日
大震災の教訓を生かすために~津波防災シンポジウム~(山元町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/07/blog-post_5.html
====================

「前編」では神戸大学名誉教授の室崎益輝さんによる基調講演をお伝えしましたが、ここでは山元町教育委員会教育長の森憲一さんと、「やまもと民話の会」の庄司アイさんのお話を中心にお伝えします。



☆ーー☆ーー☆ーー 情報提供 ーー☆ーー☆ーー☆
大震災の教訓と伝承中浜小・震災遺構の検討を通して

山元町教育委員会教育長・森憲一さんからは、東日本大震災の大津波から90名の命を救った中浜小学校と震災当時の山元町の様子、そして現在の中浜小学校についての議論を中心にした講話がありました。

人口16,695名の山元町では東日本大震災で674名が犠牲になりました。そのうち町民は636名、行方不明者は17名です。

震災当日の様子、そして続く数日間の緊迫した状況。震災発生から山元町で何が起こっていたのか……体験した方から直接聞く話は真に迫り、同時に津波の恐ろしさや無情さを感じる内容でした。

山元町教育委員会教育長・森憲一さん

そして震災3年後の平成26年、中浜小学校を震災遺構として保存するかどうかを検討するため、山元町に「伝承検討委員会」が立ち上がりました。
一般社団法人減災・復興支援機構の理事長、木村拓郎さんを中心に、大学教授や元中浜小学校の関係者など、10名前後のメンバーで構成され、同年3月11日から5回にわたる会議で検討を進めてきました。

また伝承検討委員会では、平成26年3月から4月にかけて町民を対象にした「震災遺構や中浜小学校についてのアンケート」を実施しました。
町内5,000世帯に問い掛け、約1,900世帯から回答を得ましたが、約7割が「中浜小学校を震災遺構として残すことは震災伝承に役立つ」と回答しています。

平成27年1月15日には町に「震災伝承及び震災遺構の保存・活用に関する提言書」を提出。町では提言書を踏まえ、具体的な検討を進めているところだそうです。

問題点は、保存する場合の維持管理負担が大きいこと。震災遺構を存続するのか、それとも廃止するのかは、町として非常に苦慮しているのだそうです。

「悲惨な事実をどう子どもたちに残していくか、伝えていくかを考えなければなりません。
忘れ去られるとすれば、私たちの中の弱い心、そこに本当の敵がいるのではないか……と思えてならない」

森さんはそう言って講話を結びました。


☆ーーー☆ーーー☆ーーー 情報提供 ーーー☆ーーー☆ーーー☆
 巨大津波を語り継ぐ

庄司アイさんは、民話や昔話を語ることで、地域の文化や歴史を次代に引き継ぐことを目的に活動する「やまもと民話の会」の一員です。
「民話の会」では、津波被害の歴史を後世に残す活動もしています。

「私は物心がついた小さな頃、近くの諏訪神社に大きな姥杉がありました。
『杉の木のてっぺんには鉄の鎖がつながれているんだど』と聞かされて育ちました」

抑揚があって柔らかい山元の言葉で話す庄司さんの語りは、一瞬にして会場にいる人を話に引き込みました。

大震災では庄司さん自身も被災しました。
山元町町区に住んでいた庄司さんと家族は、自宅の家ごと800メートルも大津波に流され、引き潮で太平洋へ流されそうになったところ、かろうじて海の手前で家が止まり助かりました。
町区は海から3キロメートル離れていますが、それまで“生き字引”と呼ばれていたどんな長老も、「常磐線を超えて来る津波はないんだからな」が常識でした。
決まり文句のように誰もが言っていたことで、住民はそれを聞いて育ってきたのだそうです。

庄司さんの話に引き込まれる参加者

「ところが突如として震災があり、大津波に飲まれてしまった。海の手前で一晩過ごした体験、この被災体験を千年先も永久に語り継がねばならないと感じたんです」

庄司さんは状況が落ち着いた頃、民話の会のメンバーに連絡を取り、メンバーの皆さんと状況を語り合いました。そして、「この体験を語り継ごう」と提案しました。すると全員が即「やりましょう!」と言ってくれたそうです。

「『あったる事をありのままに』後世に伝えていこうという『民話の会』の姿勢で、大震災を体験した方に、あるがまま、辛い体験を話してもらいました。
厳しい現実の中、聞いたことをそのままメモを取り、泣き泣き話を記録させてもらいました」

その記録は「語りつぐ巨大津波」として、平成23年8月10日に第1集「証言」、12月に第2集「声なき声に寄りそう」、翌年4月に第3集「鎮魂・復興へ」が刊行されました。
(現在は3冊がまとめられ、単行本として小学館から出版されています)

「やまもと民話の会」庄司アイさん

また、歴史の年表には記録が無かった、400年前の「慶長の大津波」の史実を知った庄司さんは、目からウロコが落ちたように感じたと言います。

それは平成の大津波をはるかに超える大津波だったのです。
そして調べてみると、本当は山元町も何度も津波に見舞われた歴史があったのに伝わってなかった。
きちんと後世に伝えるためには、体験者や良き伝承者がいることが大事なのだ」
そう気付かされたそうでです。

「現在の日本は、文明の発達で語りの文化が “掃き溜め”の隅っこに押しやられている感じがします。家庭でも会話がなく、それぞれで画面に向かって遊んでいる家庭が多いのではないでしょうか。
荒ぶるこの日本で、荒ぶる日本列島で、平成のこの大津波を永遠に語り継ぎたい。そう思っています」

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伝承サポーター認定式

東日本大震災の苦い経験を後世に伝承していく取り組みとして、宮城県土木部が平成23年から実施している3.11伝承・減災プロジェクト」があります。

「伝承サポーター」とは、「3.11伝承・減災プロジェクト」の主旨に賛同し、後押ししてくれるサポーターのことです。
自らが所有する建造物などに、津波浸水表示板を設置した個人や企業の方が認定されます。
宮城県では昨年と今年で、計53の企業、団体、個人を「伝承サポーター」として新たに認定し、この日出席した4名に認定書が手渡されました。
( ※「3.11伝承・減災プロジェクト」や「伝承サポータ」の詳細については、宮城県土木部防災課のホームページをご覧ください。
http://www.pref.miyagi.jp/site/0311densyogensaip/)

宮城県土木部久保田技監兼次長(中央)と、認定者のみなさん

こうして3時間にわたるシンポジウムが終わりましたが、長時間にもかかわらず、参加した皆さんは最後まで熱心に耳を傾けていました。
中には講演後、個人的に講師の室崎さんに話し掛ける姿もあり、関心の高さが伺えました。

こういったシンポジウムを機に、民間と行政が互いに歩み寄り、東北の本当の復興とは何なのかを真剣に話し合い、みんなで考えるきっかけになれば……。
そう考えずにはいられませんでした。

主催者の宮城県土木部防災砂防課と、山元町町役場の皆さん


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◇ 山元町ホームページ
http://www.town.yamamoto.miyagi.jp/

◇「3/11伝承・減災プロジェクト」
http://www.pref.miyagi.jp/site/0311densyogensaip/

(取材日 平成27年5月30日)

地域の防災意識を高めよう「蒲町地域防災訓練」(仙台市)

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こんにちは、YMです。
6月27日に仙台市若林区の蒲町小学校で行われた「地域合同防災訓練」にお邪魔しました。学校と地域が協力して、蒲町地域の防災意識を高めようと、毎年開催しているそうです。
防災訓練には在校生徒のほかに、蒲町地域の幼稚園と中学校の生徒、そして保護者も加わり、大変多くの方が参加していました。


蒲町小学校は震災時の津波浸水エリアにほど近く、震災直後には体育館に多くの方が避難していました。校舎も被災し、4年間生徒たちはプレハブの仮設校舎で授業を行っていましたが、今年ようやく新校舎が完成し、4月から新学期がスタートしたばかりです。

新校舎が出来上がった蒲町小学校

この日は学年別に災害時の避難や準備についての授業や、町内会ごとの集合訓練を行ったりと、半日かけての大規模な訓練でした。
東日本大震災から蒲町小の生徒たちが学んだことは「自分で考え行動し、自分の命を守ること。そして共に助け合うこと」だと、仲野校長は言います。その意識もあり、生徒たちは真剣に取り組んでいて、とても感心しました。
その中でNPO法人防災士会みやぎの方々が講師として招かれ、「災害への備え~自分だったらどうしますか~」というテーマで防災講演を行った様子をご紹介します。

その前に、皆さんは「防災士」という方々をご存じでしょうか?
「防災士」とは、防災・減災に関する知識・技術を持つ人に与えられた資格で、言わば”防災のスペシャリスト”です。阪神・淡路大震災の経験から誕生し、地域の中心となり、一人一人の防災力向上を目指す活動を行っています。現在全国に10万人、宮城県内には2600人ほどの防災士がいます。

講演のスライドショーより

講演では低学年にも分かりやすく、3コマ漫画(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとプラスアーツが製作)を一部使い、その場面で「自分ならどう答えるか」を吹出しに入るセリフを考えたり、津波やこの地域にある災害標識についてをクイズ形式で楽しく教えてくれました。
生徒たちはみんなとても積極的に手を上げ、参加していました。


防災士であり、防災士会みやぎの理事長を務める菊地正衡さん(上写真中央)は、今回の講演のために何度かこの地域を訪れ、地域独自の問題作りに取り組んだそうです。
例えば、先ほどの災害標識クイズのほかにも、小学校の近くに「浪分なみわけ神社」という神社があります。
「これはなんという神社でしょうか?」という質問にみんな「知ってる知ってる!」と手を上げて答えていました。さすがですね。


この神社は400年前に起こった慶長地震での大津波がここまで押し寄せてきて、この神社で2つに分かれて波が引いていった、といわれています。
4年前の津波はこの神社までは到達しませんでしたが、ほんの数十メートル手前まで来たそうです。
「昔の伝承を聞き、自分の地域を知ることが大事」だと菊池さんは生徒に教えてくれました。


災害に、いつ、どこで、遭遇するか分かりません。
”備えあれば憂いなし”という言葉の通り、日ごろからの備えが”もしもの時”に役立ちます。
皆さんも地域の避難訓練に参加したり、家族と緊急時の持ち出し袋や集合場所を決めたり、話し合っておきましょう。

(取材日 平成27年6月27日)

女川町の魅力がぎゅっと詰まった「あがいんステーション」(女川町)

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こんにちは、Chocoです。
女川駅ができて3カ月がたちました。
周辺の整備が着々と進む中、商業施設の第1号として女川水産業体験館「あがいんステーション」がオープンしました。

辺りには、個人事業者が新しい店舗を建設しています。

駅から女川港に向かっては、全長170mの歩行者専用プロムナードの整備が進んでいます。
歩道は幅15mと広く作られ、両側には今年の12月オープン予定のテナント型商業施設が並びます。
日々、風景も変化していきます。

今回は、女川の新たな顔「あがいんステーション」を紹介します。


===================
「女川は海と共に生きてきました。
この目の前にある母なる海で育ち、
水揚げされた大いなる恵みを
このあがいんステーションで実際に学び、体験し、
本当の海の幸のうまさを味わっていただくことで、
魚食の普及や漁業後継者の育成、
新たな商品開発へのブランド化へとつながっていき、
町の復興へと必ずや貢献できると信じています」
復幸まちづくり合同会社代表社員の阿部喜英さんが、落成記念式典であいさつをしました。

あがいんステーションの運営元である「復幸まちづくり女川合同会社」は、2012年9月にに設立されました。
社員は、水産業、飲食、観光汽船、鮮魚店の経営者で、
代表の阿部さんも(有)梅丸新聞店を経営しています。

本業を再開するのも大変だった中、
皆さんは、町の未来を見据え、
「基幹産業の水産業の復興なくして女川町の復興はなしえない」
と、想いを強く持ち、日々活動してきました。
1年後には「あがいん(again)おながわ」という女川の水産加工商品のブランドが新たに誕生しました。
「あがいん」は、女川町の方言で「召し上がれ」と英語の「again(再び)」を掛け合わせ、「女川町を再び笑顔あふれる街にする」
「女川のおいしいものを食べてほしい」という想いが込められています。
あがいんステーションにもたくさんの
「あがいんおながわ」公認の商品が並んでいます。
「あがいん(again)女川」通販サイト
http://store.shopping.yahoo.co.jp/onagawa-again/
また、施設の完成前から浜や市場の一角で、水産業体験ツアーなども行われてきました。
これまで企業研修を始め、被災地ツアー等により、水産業体験モニターとして3年間で約600名を受け入れています。

ーーーーーーーーーーーーーーー
そしてついに6月14日、
復幸まちづくり女川合同会社の想いが形となり、
「あがいんステーション」がオープンしました。
この写真を見て、ピンとくる方もいらっしゃると思います。
外観は、津波で流失した旧女川駅を復元しています。
JR東日本の協力により旧女川駅 がよみがえりました。
「一番は地元の人たちに利用してほしいんです!」
阿部さんが言うように、旧女川駅の外観が再現された「あがいんステーション」は女川の魅力を発信する場であると同時に、町民も楽しめる施設です。


館内は2つのスペースに分かれています。
まずは「あがいんプラザ(物産販売)」です。
ここでは、女川のうまいものが大集合!!

「あがいん(again)おながわ」認定商品や女川の水産加工品をまとめて購入することができます。
「高齢化が進み、なかなか遠出ができない町民の皆さま向けに」と用意されたのは、東京の「良品工房」からセレクトされた全国選りすぐりの商品です。
旅をしなければ出会わない「ご当地のうまいもの」が女川町でも楽しめます。

もう一つは「あがいんキッチン(水産業体験・調理実習)」
水産業についての座学や収穫、調理体験まで一貫した知識の習得・体験が可能となっています。
ここでは、小中学校の総合学習・食育や企業の被災地での研修の場としても活用可能なプログラムが提供されます。
オープン前にも今回の支援団体であるキリングループの皆さんが全国から集まり、水産業体験を行いました。

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まずは、映像によるホタテ養殖の座学、
地元漁師が映像を見ながらホタテ養殖について教えてくれます。
そして、水揚げされたホタテの掃除、
水揚げされたホタテは、私たちが普段見るホタテの形が分からないほど
海藻や他の貝類などが付着しているんです。
それを専用の道具できれいに落としていきます。
きれいになったホタテのさばき方
漁師さんや地元の方々が、さばき方のコツを教えてくれます。
今回は、ホヤのさばき方も披露していました。
食べるまでの作業を実際に地元の漁師さんが先生となり教えてくれます。

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女川の学びと楽しみが詰まったあがいんステーションの落成式には多くの人々が集まりました。
落成式でのテープカットの様子

お祝いに駆けつけた方々の中には、内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官の小泉進次郎さんがいらっしゃいました。
祝辞では、
「私は、ホヤが苦手なんです。女川へ来てこういうことをいうのは自分だけでしょうが・・・」と会場を笑わせました。
そして、ホヤ漁師を目指す地元の少年との出会い、熱い想いに触れ、
ホヤを食べるか食べないかではなく、「食べる」と心に決めていると話し、
「その日本一のホヤ漁師を目指す少年のように、女川の海産物、女川の漁業、水産業を支える特別な思いが込められていることを多くの人に知っていただく施設としてこれからもあがいんステーションの発展を心から期待したい」
と述べました。
「復興をやりとげる!有志有道」
           小泉進次郎
「これは、意思あるところに道はあるという言葉です。
政治もまちづくりも復興も壁にぶつかるときがあります。
だけどそういったときこそ初心を忘れず、志を持って進めばきっと道は開けるんです。
これは自分自身にも言い聞かせている言葉です。
復興に携わっている女川の皆さんも日々の苦悩があると思いますけど、
まちづくり復興に対する強い志を持って女川がずっと言っている
行政、議会、産業、民間が一体となる
『四輪駆動』のまちづくりを一緒になって頑張ってもらいたい。
私も最後まで復興をやり遂げます!」
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あがいんステーションから見える新しい女川駅、
「過去と未来をつなぐ新しい女川の交流拠点」の場が完成しました。
女川町民に親しまれていた旧女川駅を復元した皆さんの故郷への愛を感じました。

須田善明町長は、祝辞の際、参列した方々の祝辞を聞きながら、
震災後を振り返り、「感極まった」という想いからお話が始まりました。
「今日この日を迎えられてうれしく思っています。
『こうやるぞ』と動き出す人、初動、最初のアクションがなければ、
こういう瞬間は迎えられなかったはずです。
チャレンジ無くして地域の新しい歩みはなしえません。
大きな核となる、そして何よりも象徴となる『あがいんステーション』がスタートします。
そして、ここからどんどん広がっていけばいいなと思っています」

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少しずつ少しずつ復興という言葉が形になっています。
それは、地元の方々の熱い想いが詰まったものです。

「あがいんステーション」
女川へ来たらぜひ立ち寄ってみてください。
女川の魅力がギュッと詰まった場所です。

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女川水産業体験館「あがいんステーション」
住  所 宮城県牡鹿郡女川町女川 浜字大原479-2
営業時間 10:00〜17:00
定休日  月曜日 
     ※月曜祝日の場合は、翌火曜日が休み
公式web http://www.onagawa.co.jp/
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(取材日 平成27年6月14日)

7月のイベント情報7月19日~31日(県内各地)

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こんにちは、にゃんこです。

あっという間に7月ももう半分。
そろそろ夏休みも始まりますが、夏の予定は決まりましたか?

イベント情報をチェックして、夏の計画を立ててくださいね!

☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆
今月のおすすめイベント!
第92回石巻川開き祭り
・日時/7月31日(金)、8月1日(土)
     供養花火:7月30日(金)20:00~20:30、
     花火大会:8月1日(土)19:30~21:00 ※雨天荒天時は花火大会延期
・会場/石巻市中心市街地、中瀬、日和山公園など
※行事内容によって異なりますので詳細はHPを

石巻の夏の風物詩、「石巻川開き祭り」の開催が迫ってきました。
7月31日(金)には、東日本大震災で亡くなられた方々の供養祭を行い、5,000個の流燈を流すほか、供養花火も打ち上げます。2日目の8月1日(土)には、2020東京オリンピック・パラリンピック聖火台・聖火リレー出発地誘致トーチリレーをはじめ、みこしパレードや大漁踊り、さらにブルーインパルスの特別展示飛行など街中をにぎやかに盛り上げるイベントが盛りだくさん! そして祭りのフィナーレを飾る花火大会では、6,000発もの花火が夏の夜空を鮮やかに彩ります。
 追悼、そして復興への願いを込めて開催される「石巻川開き祭り」。今年は、中心市街地に飾られる七夕飾りも5年ぶりに復活するそうです。皆さんもぜひ足を運んでみてください。

今年の祭りのテーマは“復興への祈りを込めて”
北上川を舞台に打ち上げられる6,000発の花火は必見!

〈問い合わせ先〉
石巻川開き実行委員会
TEL.0225-22-0145(石巻商工会議所)
http://www.ishinomakikawabiraki.jp/
☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆--☆

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■イベント情報  2015年7月19日~31日
※イベントの開催が変更・中止になる場合があります。詳細は各施設にお問い合わせください
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多賀城ビアフェスタ ~TAGAJO BEER SUMMIT2015~
7月17日(金)~19日(日) 17日17:00~20:00、18日、19日11:00~20:00
会/JR仙石線多賀城駅南口
問/多賀城市市民経済部商工観光課
      TEL.022-368-1141(内線471~473)


第68回塩竈みなと祭
前夜祭:7月19日(日)、本祭:20日(月、祝)
会/前夜祭:マリンゲート塩釜周辺、本祭:塩竈市内各所
問/塩竈みなと祭協賛会
http://kankoubussan.shiogama.miyagi.jp/
(塩竈市観光物産協会)

海水浴場「マイビーチ鬼ヶ浜」海開き
7月19日(日)~8月30日(日)
場/塩竈市桂島
問/海水浴場「マイビーチ鬼ヶ浜」海開き実行委員会
https://www.facebook.com/myBeachOnigahama?_rdr=p

震災後、地元やボランティアの方々の協力により、
2013年よりオープン!


仙石線・仙石東北ライン開通記念事業
繋がる想い いしのまき出発祭
7月19日(日)10:00~20:00
会/中瀬公園(石巻市中瀬2-7付近)
問/石巻市産業部観光課 0225-95-1111(代表)
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10452000b/20150521200308.html

第25回定禅寺ストリートジャズフェスティバルinSENDAI 交流ライブ
7月19日(日)、20日(月・祝)11:00~18:00
会/せんだいメディアテーク 1Fオープンスクエア
問/定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員会
ww.j-streetjazz.com

子ども自然史ワークショップ2015
7月20日(月、祝)
会/南三陸町ポータルセンター(本吉郡南三陸町志津川字御前下51-1)
問/NPO法人大阪自然史センター
http://www.m-kankou.jp/archives/18811/
(南三陸町観光協会)

ISHINOMAKI STAND UP WEEK2015
7月24日(金)~8月1日(土)
会場/石巻市中央および牡鹿半島
問/石巻STAND UP WEEK実行委員会
http://suw.ishinomaki2.com/

「石巻川開き祭り」が始まるまでの9日間を「石巻STAND UP WEEK」とし、
「世界で一番面白い街を作ろう。」をテーマにさまざまなイベントが開催されます。

昨年の模様はこちら↓
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2014年7月27日
行先は、「世界一面白い街」。マンガッタンライナー号、出発進行!
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/07/blog-post_27.html
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第49回志津川湾夏まつり福興市
7月25日(土)
会/南三陸町内
問/福興市実行委員会
https://www.facebook.com/fukkouichi

昨年の模様はもちら↓
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2014年8月17日
復活の花火 明々と 志津川湾夏まつり福興市
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/08/blog-post_30.html
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海水浴場「小田の浜海水浴場」海開き
7月25日(土)~8月23日(日)
場/気仙沼大島
問/気仙沼大島観光協会
http://www.oshima-kanko.jp/

気仙沼大島の東側に位置する「小田の浜海水浴場」
2006年環境省の「快水浴場百選」の特選にも選ばれています!

2015みちのく川崎花火フェスタ
7月25日(土)15:00~21:00
会/ボートピア川崎特設会場(柴田郡川崎町大字支倉字鳥屋沢山25-6)
問/みちのく川崎花火フェスタ実行委員会(川崎町観光協会内) 0224-84-6681
   ボートピア川崎 0224-84-6663

2015くりこま山車まつり
7月25日(土)、26日(日)
会/栗原市栗駒岩ケ崎地区馬場通り、六日町通り
問/栗原市栗駒総合支所市民サービス課産業建設係
   0228-45-2114

佐沼夏まつり
〈前夜祭〉7月25日(土)12:00~、〈本祭〉26日(日)11:30~、花火大会19:50~
会/〈前夜祭〉中江中央公園、〈本祭〉一市八日町通り、中江中央公園ほか
問/佐沼夏祭り奉賛会(登米中央商工会)
   0220-22-3681

金華山黄金山神社龍神まつり・龍(蛇)踊り奉納
7月25日(土)、26日(日)
会/金華山黄金山神社 金華山特設場
問/金華山黄金山神社
http://kinkasan.jp/

夏まつり仙台すずめ踊り
7月25日(土)、26日(日)
会/JR仙台駅東口宮城野通り
問/「夏まつり仙台すずめ踊り」実行委員会・事務局
http://www.suzume-odori.com/

第26回伊達かっぱの里まつり
7月25日(土)
会/八雲神社(遠田郡涌谷町字新町79)、くがね倉庫ふれあい広場(遠田郡涌谷町字新町裏110)
問/涌谷町まちづくり推進課
http://www.town.wakuya.miyagi.jp/

ザ・フェスティバルinしばた
7月25日(土)
会/陸上自衛隊船岡駐屯地(柴田郡柴田町大字船岡字大沼端1-1)
問/ザ・フェスティバルinしばた実行委員会事務局(柴田町商工会)
http://www02.jet.ne.jp/~shokokai/

神明社夏まつり
7月25日(土)、26日(日)
会/神明社(伊具郡丸森町字高畑30 )
問/丸森町観光案内所 0224-72-6663、丸森町商工観光課 0224-72-3017

吉岡八幡神社・輪くぐり
7月31日(金)
会/吉岡八幡神社(大和町吉岡字町裏39)
問/吉岡八幡神社
   022-345-4677

(取材日 平成27年7月14日)

東北の復興の現状を確かめに来ました(気仙沼市・神戸市)

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こんにちは。kaiiです。

東日本大震災の発生後、阪神・淡路大震災の経験・教訓を被災地の人たちに伝え、「1日も早い復興」のお手伝いをしようと駆けつけて来てくださったのは、兵庫県や神戸市の県民、市民の人たちでした。
大津波の被害を受けた沿岸被災地の避難所の運営、高齢者のお世話、まちづくりなど、さまざまな分野で、震災から4年が過ぎた今も支援を続けられています。

平成27年7月6日、水越浩士神戸ロータリークラブ会長(神戸国際会館社長、神戸製鋼所前会長)が神戸から宮城県名取市、石巻市、女川町、南三陸町と気仙沼市を視察し、気仙沼市役所を7名で訪れました。

気仙沼市長を表敬訪問した兵庫県・神戸市の皆さんと
気仙沼市議会議長、副議長

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気仙沼魚市場前の様子
気仙沼市内では3月に入居が始まった階上地区の戸建て災害公営住宅、南気仙沼地区の水産加工団地、津波火災被害の大きかった鹿折地区の嵩上げ工事の様子を視察しました。

気仙沼市への表敬訪問では、復興の現状と課題について、菅原茂市長と守屋守武(もりや もりたけ)市議会議長、村上進副議長と意見交換をしました。

この度の視察は、平成27年3月11日に「人と防災未来センター」(兵庫県神戸市)主催の「語り部シンポジウム」のパネラーの一人、南三陸町の南三陸ホテル観洋の女将阿部憲子さんが水越社長のもとを訪れ、「ぜひ、東北の復興の現状の視察と観光にお出掛けください」と話した事がきっかけとなり実現しました。

議長室での懇談
議長室では、守屋議長から「震災発生直後から、多くの兵庫県民、神戸市民の皆さんが気仙沼市に駆けつけ、避難所の運営などに協力していただいたことに感謝しています。ありがとうございました」と震災後の兵庫県、神戸市の皆さんからの手厚い支援に対する謝辞が述べられました。

守屋気仙沼市議会議長(右)と村上副議長(左)
守屋議長は震災当時からこれまでの気仙沼市の復興について、またご自身も被災したことや避難所運営、まちづくりの難しさについて話しました。

水越神戸ロータリークラブ会長(左)と神戸製鋼所元専務取締役小河原さん(右)

水越さんからは、この度の訪問が7月に神戸ロータリークラブの会長就任した際に示した、「隣人・他者への関心と共感を」との行動方針を自ら実践するためのものであることなどが紹介され、さらに、「東日本大震災後、理不尽な風評被害にあえぐ東北の人たちのために、私たちが兵庫県、神戸市から観光に訪れることで、街の活性化に役立ちたいと思っています」と話がありました。

また、水越さんはこの度の訪問を兵庫県の井戸敏三知事、神戸市の久元喜造市長へ事前に伝えて来られたそうです。

気仙沼市長と懇談する兵庫県、神戸市の皆さん

菅原市長はこれまでの兵庫県、神戸市の皆さんの支援と今回の訪問にお礼を述べた上で、気仙沼市の水産加工業者の人手不足や、販路縮小などの課題と今後の取り組みについて述べました。

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阪神・淡路大震災が発生してから16年経って東日本大震災が起こり、その時、再び、「1000年に一度の大災害が発生した」と言われました。

自然災害はいつどこで起こるか分かりません。
水越さんの「隣人・他者への関心と共感を」という言葉に、災害が起こった時に助け合えることこそが最も有効な「防災」であると実感し、被災経験者同士の交流の大切さ、温かさを感じました。

神戸・兵庫から訪問された方々:
水越浩士(神戸ロータリークラブ会長・神戸国際会館社長)ご夫妻
小河原銑二(神戸製鋼所元専務取締役)ご夫妻
飯田美奈子(神戸西ロータリークラブ・オペラ歌手)
山地久美子(大阪府立大学客員研究員)

(取材日 平成27年7月6日)

映像で女川を体感するまち歩き(女川町)

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こんにちは、Chocoです。

あがいんステーションが開店した6月14日、
女川に1つの体感プロジェクトが始動しました。
※スマートフォン及びカメラ機能付き端末が必要です。
その名も「~女川の記憶と今、そして未来~映像で女川を体感するまち歩き」です。

今は、かさ上げされ更地となっている場所も震災前は海沿いに商店が並び、今更地になっているところには多くの商店や住宅が立ち並んでいました。
しかし、震災により、町の8割の建物が倒壊しました。
そして現在、復興に向けて工事が日々続いています。

3月21日にJR女川駅が再開して、駅前に観光協会が運営する観光案内所も設けられ、さらに、毎月第1・第3日曜日には駅前でおもてなし市が開催されています。


「駅を出てから観光できる場所が近くにない」
訪れる人たちの声を受け、女川町観光協会と一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンターの皆さんが協力して、女川町の魅力を発信するための映像作品が完成しました。

震災前の街の風景や震災後の風景、そして今の女川を写したその作品は、女川町の5カ所で見ることができます。
そして、女川のその場でしか見ることができません。

映像を見るためには、スマートフォン等が必要です。

まずはmarcsという専用アプリをインストールしてポスターが設置されている場所へ行きます。
アプリを起動して、目の前にある「映像で女川を体感するまち歩き」のポスター画像を読み込むと映像が流れるシステムです。
実際に女川を訪れて現在の復興状況を見ながら、映像を通して震災前の街の風景を見ることができます。
この企画は、駅前のテナント型商業施設がオープンする今年の冬まで開催予定です。


ポスター設置場所は、次の5カ所です。
・女川駅待合室
・女川駅前観光案内所
・あがいんステーション
・女川復興まちづくり情報交流館
・地域医療センター駐車場(おちゃっこクラブ)

5カ所とも異なる映像が流れます。
その中には、女川町へ想いを込めて作られた楽曲「ホヤホヤパラダイス」が使用されている映像もあります。

今回使われている写真は、女川町役場や観光協会から提供されたのが多いのですが、中には「ぜひ、使ってほしい」と一般の方々が提供したものもあるそうです。

実際に歩いて見えてくるのは、津波の 跡が残る町の姿と今のまちづくりの形です。


新しくできた女川駅は、町の中心部となるところです。
現在、少しずつお店が 建ち並び始めています。

今しか見ることができない「復興していく街並み」が見られます。
そして、「女川を体感するまち歩き」の映像を通して、もっと深く女川を知ることができます。

女川へ来た際には、ぜひ、携帯から映し出される映像で女川を体感してください。
そして、その目の前に広がる女川の今を見に来てください。

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「映像で女川を体感するまち歩き」

発行元 一般社団法人女川町観光協会
企 画 一般社団法人ピースボード災害ボランティアセンター
協 力 みやぎ地域復興支援助成金
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(取材日 平成27年6月14日)

ハッピータウンへようこそ!幸町第三災害公営住宅で交流会(仙台市)

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こんにちは、にゃんこです。

震災から今月で4年4カ月がたちました。
ようやく災害公営住宅の入居も始まり、交流会では一つの区切りを迎えたという声も聞かれるようになりました。

では、県内ではどのくらい整備が進んでいるのか、その状況が気になり調べてみました。

宮城県が発表した「災害公営住宅の整備状況について」(平成27年5月31日現在)によると、

計画戸数…15,988戸
事業着手戸数…13,875戸(進捗率86.8%)

うち、工事着工戸数…10,510戸(進捗率65.7%)
うち、工事完了戸数…5,545戸(進捗率34.7%)

ちなみに仙台市だけでみると、
計画戸数…3,179戸
事業着手戸数…3,179戸(進捗率100%)
うち、工事着手戸数…3,117戸(進捗率98%)
うち、工事完了戸数…1,981戸(進捗率62.3%)
残りの災害公営住宅も今年度中には完成し入居が始まる予定です。

一方、整備状況が特に遅れているのは名取市の閖上地区。
計画戸数…716戸
事業着手戸数…420戸(進捗率は58.7%)
うち、工事着手戸数…92戸(進捗率12.8%)
うち、工事完了戸数…42戸(進捗率5.9%)
入居開始が最も遅いところでは、平成30年を予定しています。

数値だけを見ると各地区で確かに差はありますが、どの地区でも復興に向けて懸命な工事が続けられています。

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そして入居者同士、さらに地元の方々も含めた交流会も各地で開催されています。
今回は仙台市宮城野区幸町の「幸町第三災害公営住宅」で開催された「とん汁パーティー」にお邪魔してきました!


「幸町第三災害公営住宅」は、38戸のみの小規模の復興公営住宅です。
目の前には小学校、さらに大型スーパーやホームセンター、ドラックストア、郵便局、銀行、病院などが徒歩圏内にあり、
とても利便性の高い場所にあるのが特徴です。

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会場となった1階の集会所には、入居者の方約40名と会を主催する「幸町第三災害公営住宅支援者の会」の皆さんが集結。

「幸町第三復興公営住宅支援者の会」は、幸町南地区社会福祉協議会、幸町町内会、幸町南学区連合町内会、幸町地区民生委員児童委員協議会、幸町市民センター、小松島地域包括支援センター、よもぎ埜、区まちづくり推進課、仙台市社会福祉協議会宮城野区事務所で構成されています。

集会場には入りきれないほどのたくさんの人が!

「ようこそ幸町においでくださいました。今日のために準備を行ってきた方々は、皆さん福祉の第一人者です。
何か困りごとや相談があれば気軽に声を掛けてください」
と始まりのあいさつをしたのは幸町南地区社会福祉協議会の会長である山本さんです。

「幸町はお買い物にとっても便利なところですよ」と山本会長

また、幸町南学区連合町内会の中尾会長は、7月25日(土)に行われる夏祭りの案内とともに
「13町内会が参加している連合町内会には1621世帯が加入されています。その組織をあげて皆さんを支援していきたいと思っています」
と力強いお言葉が。


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そして、いよいよとん汁パーティがスタート。
みんなも一緒に踊ったり、ゲームをしたりと、とっても楽しそうでした!

地元の方々によるフランダンス。
振付を教えてもらい、みんなも一緒にフラダンス

こちらは高齢者運動サークル「幸町南ワイワイクラブ」の皆さん。
きよしのズンドコ節に合わせた軽運動を披露
そして最後は、待ちに待ったおいしいとん汁が登場!
小さな子どもたちやお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんとみんなが笑顔のひとときになりました。

この日はなんと100食分ものとん汁が!
皆さん「お代わり~!」とお腹いっぱい味わっていました

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この日、最も注目を浴びていたのが幸町町内会の戸井会長です。

「幸町はね英語で、ハッピータウンと言うんです。仙台には5つの区があって、何百という町内会がありますが、ここだけが幸町、幸せの町なの。皆さんはすごいところにきたんだよ~!幸せな方々が住んでいる町なんです。ですからここでは振り込み詐欺に引っ掛かることなんてないんだよ。もし来たってやるもんないもんね!」
なんて冗談も交えながらのお話に、皆さん大笑い!



「せっかくハッピータウンに来たんだから、皆さん仲良くしましょうね。仲良くする第一歩は、まずは町内会に入ること!もし何か起きても民生委員や包括センターとみんな連携していますから安心です。ぜひ仲間に入ってください。仲良く頑張っていきましょう」

お話のすべてをご紹介できないのがとても残念ですが、こんなにも明るく楽しい町内会長さんがいらっしゃるなんて、まさにハッピータウン!

戸井町内会長の熱烈な歓迎に、皆さんもほっとされたのではないでしょうか。
これからもたくさんの幸せが訪れますように。


(取材日平成27年6月27日)

仲良くなるきっかけに!「あすと長町第二復興公営住宅交流会」(仙台市)

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こんにちは、YMです。
6月28日、今年3月に完成した仙台市の「あすと長町第二復興公営住宅」で、第1回目となる交流会が行われ、入居者約50名と地域支援者約30名が集まりました。入居者と地域支援者との、そして入居者同士が知り合いになるきっかけづくりとして開催されました。

「あすと長町第二復興公営住宅」はあすと長町地区に出来上がった3つの復興公営住宅のうちの1つで、コミュニティに配慮した設計となっており、各階のエレベーター付近にベンチが設置されていたり、交流会が行われた1階の集会所にはオープンデッキが付属しています。

あすと長町第二復興公営住宅と、住宅内のベンチ

まず始めにニコニコと入居者を歓迎してくれたのは、長町地区町内会連合会の柿沼会長。
「長町にようこそ!長町は古くからの下町で商人の町。新しく来た人には「どこから来たの?」「お茶でも飲んでいかない?」と声を掛けてくれる温かみのある町なので、安心して早く皆さんにも馴染んでいただければと思います」と挨拶をしました。

長町地区町内会連合会の柿沼敏万会長

早速、合唱の先生である斎藤廣子さん指導のもと、全員参加型の歌あそびで楽しみました。
リズムに合わせて手拍子したり、隣り同士の肩を叩きあったり、歌ったりと、一気に会場がひとつになり、笑顔に包まれました!なかなか難しいリズムもあり、間違えてもそこはご愛嬌。みんなで笑いながら楽しんで、お互いに親近感が生まれたようでした!


次に入居者それぞれが自己紹介をし、一人暮らしのご老人は「たまにお茶を飲みに来てください」と、以前から長町に住んでいた方は「周辺で知りたいお店などがあれば教えますよ」などと和やかな雰囲気でした。

ちょうどお昼になったところで、みんなでテーブルを囲み、昼食をいただきながら、さらに交流を深めていました。参加された方は「今日は楽しかった。まだ分からないことも多いので、また開催してもらいたい」と話していました。



長町地区のもう1つの復興公営住宅「あすと長町(第一)復興公営住宅」でも交流会が行われました!こちらではサプライズゲストが登場したみたいですよ。
↓ ↓ ↓

(取材日 平成27年6月28日)

出港! 今年もおいしいサンマを届けます(気仙沼市)

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こんにちは。kaiiです。

順調に生鮮カツオの水揚げが続き、気仙沼魚市場は活気に満ちています。

気仙沼魚市場にはカツオ漁船がカツオの水揚げをしていました
気仙沼港では、秋の味覚「サンマ」漁の準備が進められています。

集魚灯など、サンマ漁に必要な機器が取り付けられ
出港に向けての準備が進められています

気仙沼市大浦漁港でも、さんま小型棒け受け網漁船、第8辨天丸が今期のサンマ漁に向けて、艤装作業などの準備を進めています。

*艤装作業 主機関、漁に必要な諸装備・機器の取り付けや、居住スペースなどのさまざまな工事をすることをいいます。




今年は、例年より早く、気仙沼港を出港する予定です。



第8辨天丸は東日本大震災の時、係留していた漁港から津波で陸上に打ち上げられ横倒しになりました。
平成23年5月には海に戻され、その後3カ月をかけて修理されました。

平成23年7月には震災前と変わらず、北海道・ロシア沖へサンマ漁に出掛け、同年11月に気仙沼港に無事に帰港しました。今回のサンマ漁が震災後5回目になります。


漁労長の小野寺俊光さんは、
「今年は例年より、早めの出港になります。おいしいサンマをみなさんに届けられるよう働いてきます。おいしいサンマをたくさん食べてください」
と話し、出港前の装備の確認をしていました。

おいしいサンマをみなさんの食卓にお届けします
たくさん食べてください
第8辨天丸漁労長小野寺俊光さん
北海道沿岸のサンマ漁は、10トン未満船の解禁が7月22日です。その後、中型船、大型船と解禁されます。

出港に向けて最終調整中の
第8辨天丸(9.7トン)
昨年、気仙沼魚市場へのサンマの水揚げ量は27200トンで、本州一になりました。

気仙沼港に水揚げされたおいしいサンマが、1カ月ほど後には全国の食卓に届きそうです。


(取材日 平成27年7月10日)

ジオを感じるワンデイトリップ 栗駒山日帰り登山(栗原市)

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石野葉穂香です。

先日、栗原市の「ジオパーク構想」について紹介させていただきました。
その時の記事はこちらです。

2015年7月10日(金曜日)
「栗原の大地の動きを感じよう-子どもたちのジオパーク体験」
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/07/blog-post_10.html

記事の最後の部分で、栗駒山への登山を予告させていただいておりましたが、梅雨の晴れ間が広がった7月7日、七夕の日、実際に栗駒山の山頂まで行ってまいりました。

山頂付近には「岩手宮城内陸地震」の際に発生した亀裂がまだ残されている・・・と、
山麓の方に聞かされていたので、それを自分の目で確かめたい、と思ったのも動機の一つでした。
でも、内陸地震から7年が過ぎて、もう亀裂はすっかり見えなくなっていました
もうすぐ夏休み。
海へ、山へ。家族でお出掛けするプランをお考え中の方も多いと思われます。

今夏、宮城県下の登山に係る情報では、蔵王連峰の一部(2カ所の登山道)で自主的な入山規制が行われているほかは、特に規制や警報などは発せられていません(7月10日現在)。
ともあれひと安心、とお考えいただいて大丈夫でしょう。

栗原市は、2008(平成20年)に発生した「岩手宮城内陸地震」で、域内に大きな被害が発生。
栗駒山では、山容の一部が崩落するなどしたほか、岩手、宮城、福島の三県で17名の方が亡くなっています。

この惨禍を忘れないために、栗原市では、傷ついた山肌などを地震・震災の経験や記憶を伝える貴重な「遺産」「地域資源」と考え、栗駒山をはじめ、市域全体を「ジオパーク」とする活動を続けています。

ふるさと・栗原市の地形や地質、多様な植生や生態系、そこに生きる人びとの多彩な暮らしの風景を学び、大地といのちの関わりを知ってもらおうというもの。

それが「栗原ジオパーク構想」です。

関連記事 ↓

2014年3月17日(月曜日)
「復興と再生のジオパークを目指して」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/03/blog-post_17.html


今年6月20日、荒砥沢ダムの湖畔で行われた
栗原市立志波姫小学校の6年生たちの
「栗駒山麓ジオパーク構想 栗原の大地の動きを感じよう」という学年行事
「ジオ=geo」とは地球のこと。
栗原市を旅しながら、地球の来し方行く末を思ってみる。
地震災害の怖さや防災について考え、そして、森や山岳の風景の雄大さに心を震わされたり・・・。

中東北の盟主とも言うべき栗駒山は、まさにそんな思索と観光の場所としてぴったりです。

栗駒山は、奥羽山脈の真ん中あたりにある、標高1627mの山。
宮城、岩手、秋田の三県へ山裾を広げ、宮城は「栗駒山」、岩手で「須川岳」、秋田では「大日岳」と呼ばれています。

ちなみに「活火山」でもあり、1944(昭和19年)に小規模な噴火があり、岩手県側の山腹に「昭和湖」という湖を形成させました。

活火山とは、気象庁と火山噴火予知連絡会では「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」と定義しています。

現在、全国にある活火山の数は約110。
宮城県では栗駒山、蔵王連峰、鳴子火山群がこれに該当します。

栗駒山登山の宮城県側の登山基地となる「いわかがみ平」です。標高は1113m。
この日、私が登り始めたのは午後1時。本当は、こんな遅い時間からの登山はおすすめできません。
遅くても午前10時までに登山を開始し、午後4時までに一日の行程を終えられるような計画を立ててください
山頂を目指す登山道は、宮城県と岩手県から数コース。
最短1時間30分で登れるコースから、ブナの森を歩きながらぐるりと山塊をめぐる8時間の長大なコースまであります。

でも、内陸地震の被害から復旧できていないコースもあるので、登山前に必ず確認しておいてください。

いわかがみ平から見上げてみました。
真ん中、少し飛び出して見えるのが山頂。右側のピークは東栗駒山です
7月7日、私が登ったのは、宮城県側の「いわかがみ平」から登る「中央コース」です。
全コース中で最短となる2.9㎞、所要時間は片道約1時間30分。
のんびり歩いて、日帰り登山が楽しめます。

中央コースは目立った急登もなく、初心者でも無理なく登れます。
とはいえ、しっかり登山靴を履き、長袖のシャツや雨具も用意し、もちろん水筒や携行食・非常食などもお持ちください。
また、登山道入り口の「栗駒レストハウス」で、登山者カードへの記入もお忘れなく。

栗駒レストハウス。赤いポストに
入山届を投入します
ポストの下部に用意された登山者カードの表面(左)とウラ面。
メンバーの氏名、年齢、職業、緊急連絡先などを記入します。
山岳会やグループなどで計画書を作成する場合は、余分を一部作ってきて
カードと一緒に投入するのがいいでしょう
中央コースを歩き始めて20分ほどのところ。
だんだん山頂へ近づいて行くのが分かります
歩き始めて50分ほどすると、樹林帯を抜け、見晴らしのいいところに着きます。
栗駒山の南斜面がどーんと見晴らせる好展望地。ここでの休憩がおすすめ。
山肌を行き交う夏雲の影と、緑の大地の雄大なコントラストを楽しんでください。

また、秋には、山頂から駆け下りてきた五彩七彩の光が、蒼空を背景に眩しく輝き渡る景色を眺めることができます。

登り始めて50分ほどの休憩地点からの眺め。山肌は、夏は鮮やかな緑色に包まれています
・・・ほぼ同じ場所から見た秋の眺め。10月上旬ごろかなと思います。
栗駒山の紅葉風景の厚さと大きさと鮮やかさは東北屈指。
この風景、やっぱり自分の目で見たくなりますよね?
(写真提供/栗原市)
そして、山頂からの展望は文字どおり360度の大パノラマ。
宮城県側には、栗原地方や大崎地方の平野をはじめ、大崎市の加護坊山、石巻市の上品山、仙台湾、大和町の七つ森、そして蔵王連峰などが見晴らせます。

登ってきた中央コースを山頂から振り返るとこんなふう。宮城県側の見晴らしです。
この日はちょっと雲が多く、かすんでしまいましたが、築館、迫方面の眺めになります
東に、一関市街地、室根山、大船渡市の五葉山、さらには種山ヶ原、早池峰山。
北に、栃ヶ森、焼石岳、岩手山。
西には、鳥海山や月山、舟形連峰も・・・。

北側(岩手県側)の眺め。崩落の跡が残っている付近が栃ヶ森の山塊。その向こうは焼石岳です。
さらに夏油岳、和賀岳、岩手山へと連なるこの山並みが「奥羽山脈」です
東北地方の起伏を、水平方向に、遠く広く大きく見晴らせる絶景に、「地球」という大きな言葉を重ね合わせても、決して巨大すぎることはありません。
むしろ、そんな大きな視野と心を持って立ってほしい場所なのです。

果てしない大きな空と、広い大地の狭間で、「ジオ=地球」が、きっと感じられるはず。

写真中央、スキー場のゲレンデが見えるのが一関市の祭畤(まつるべ)山。
「岩手宮城内陸地震」は、この山の地下約8000m付近で発生しました。
その向こうに広がっているのは奥州市付近の平野部です
そして下山後は、山腹の温泉で、地球の熱を感じながら、のんびり汗を流しましょう。
そのまま宿泊できる温泉施設もあります。

岩手宮城内陸地震から7年。東日本大震災から4年――。
栗駒山とその周辺の観光地は風評被害から、なかなか立ち直れずにいます。

地球が相手のことですので、自然災害はいつ、どこで発生するか、それはなかなか知りがたいこと。

今できる取り組みとして、栗原市では、ジオパーク構想の推進と併せて、観光客を現在の年間77万人から200万人へと増やすため、総合的な観光情報の発信にも努めています。

山頂付近にはイワカガミの花が咲いていました
7~8月には、チングルマ、キンコウカ、タテヤマリンドウ、
そして高山植物の女王と呼ばれるコマクサなど、
たくさんの高山植物が夏の風に揺れているはず

絶景と温泉と、四季折々の旬菜旬味に出合える栗原市。

「ジオ」の大きさをが感じられるワンデイトリップに、ぜひお出掛けください。

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ご注意:
夏山シーズンのいわかがみ平への公共交通機関は特にありません。マイカーまたはタクシーなどをご利用ください。
なお、紅葉シーズンの週末には臨時バスが運行されますので、 栗原市のHPからチェックしてみてください。

栗原市ホーム → 観光案内
http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/1,html

栗原市ホーム → 観光案内 → 栗駒山
http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/12,489,78,320,html

(※ なお、本記事における「栗駒山の標高=1627m」との記述は、山頂の標識にある「1627m」の表記、及び、国土交通省国土地理院技術資料 D2-No.58「1:25,000 火山土地条件図解説書 (栗駒山地区=平成24年12月)を根拠としております)

(取材日 平成27年7月7日)

皆で集まるっていいね!地区の運動会が開催されました(気仙沼市)

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kaiiです。

気仙沼湾の東側に位置する浦島地区は、東日本大震災の大津波と津波火災で大きな被害を受けました。地域の70%ほどの人が被害受け地域を離れ、過疎化が進んでいます。
そんな浦島地区に、久しぶりに住民の歓声が響きました。


平成27年7月5日、平成25年3月に閉校した旧気仙沼市立浦島小学校の体育館を会場に、「浦島地区 第一回大運動会」が開催されました。

第一回 浦島地区大運動会参加者全員で記念写真を撮りました
「運動会」は浦島地の振興を考える地域の住民組織「浦島地区振興会」の主催で開催され、浦島地区の住民など80人が参加しました。


「こうして皆の顔を見られてうれしいね」
そんな声が会場で聞かれました。

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開会式が行われた後、早速、競技が開始されました。



浦島地区の4地区に分かれての「玉いれ」では、かごいっぱいに玉が入れられていました。

障害物競走の様子
風船割りなどを組み合わせた障害物競走では、風船を一生懸命割ろうとする競技者の様子に大きな歓声と笑いが湧き上がりました。

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運動会を主催した「浦島地区振興会」の尾形健会長は、
「運動会は、地域の人たちと地域から離れた人たちが集って楽しい時間を過ごすことを目的に開催しました。参加した人たちの笑顔がいいですね」

会場には大きな歓声が響いていました
「この地域は、東日本大震災後、著しく過疎高齢化が進んでいます。」
「地域にはたくさんの魅力があります。たくさんの人にこの地域に戻ってきてほしいです。UターンでもIターンでも、多くの人にこの地域に住んでほしいです」
と話しています。

じゃんけん列車!出発進行!
参加した、70代の男性は、「久しぶりに楽しかったね。地域の人たちが集まるっていいね。これからもいろいろな行事を開いてほしいです。今日の一番のご褒美はみんなの笑顔だね」と話しとてもすてきな笑顔を見せていました。


仮設住宅から、災害公営住宅などに転居することで生活環境が変化することに不安を感じる高齢者が多いと聞きます。
今回の運動会の取材を通じて、住民同士の交流の機会を設け、多世代が交流することの大切さを感じました。

(取材日 平成27年7月5日)

災害用トイレを開発した目黒星美学園が発表!@下水道展'15東京(東京都)

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こんにちは、にゃんこです。

今日は東京で開催されるイベントのお知らせです。

ココロプレスでも何度かご紹介させていただいた、東京都世田谷にある「目黒星美学園中学高等学校」の生徒たちが、7月28日(火)から東京ビッグサイトで開催される「下水道展'15東京」のフォーラムで活動の成果を発表することになりました。

目黒星美学園では、震災後の平成24年3月から継続して亘理町を訪れ「被災地ボランティア研修」を続けています。

「マイファーム宮城亘理農場」でのボランティアの様子
(画像提供:目黒星美学園)

亘理町公共ゾーン仮設住宅の第1集会所で開いた「せいびっこカフェ」では
ポプリやうちわ作りのワークショップを開催

その研修を通して見えてきたこと。それが、

「同じように私たちが被災して学校で過ごすことになったらまず何が必要になるか考えたとき、安全で安心できるトイレ」
だったと言います。

その想いから生まれたのが、簡易トイレキット「1回15円!女子から目線の簡易トイレ」です。


1回分の試供品パック
(画像提供:目黒星美学園)

そして、この活動を成果を「下水道展'15東京」で開催されるフォーラム「女性の人には言えない、聞けない、被災生活の
『トイレとプライバシー』」で発表することになりました!

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「下水道展'15東京」 併催企画
災害時のトイレ・下水道フォーラム
女性の人には言えない、聞けない、被災生活の「トイレとプライバシー」

日時 : 2015年7月31日 12時~16時(受付開始12時)
会場 : 東京ビッグサイト 会議棟・レセプションホールA
定員 : 200名
主催 : 公益社団法人 日本下水道協会
企画・運営 : NPO法人 日本トイレ研究所

日本発!くらしを支える底力 下水道展'15東京


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目黒星美学園の生徒さんから意気込みのメッセージをいただきました。

「今回参加するきっかけとなったのは、世田谷区が企画・運営を担当しているNPO法人日本トイレ研究所に本校を推薦してくださったことでした。中学3年生と高校1年生の有志8名で、発表や展示、イベントのお手伝いなどを頑張ってきたいと思います」

「私自身も消防少年団に所属しており、日頃から奉仕等に携わってきました。地域の方とイベントに参加したり、小さな子どもに防災を教えたり、とその活動はさまざまなです。私が活動を続けられているのは、『1人でも多くの人を助けたい、災害によって奪われる命をつなぎとめたい』という強い思いがあるからです。私たち女子中高生の目線から新しい取り組みを提案していくべきだと考えています。自分たちからアクションを起こしていくことを大切にしていきたいです」


皆さんもぜひ足を運んでみてください。


これまでの記事はこちら↓
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2014年9月18日 
高校生の私たちにできること〜目黒星美学園中学高等学校の取り組み
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2014年10月2日 
心に寄り添う「せいびっこカフェ」
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2015年5月25日
機能も見た目も◎!女子高生考案の「1回15円の女子から目線の簡易トイレ」
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(取材日 平成27年7月21日)

映画「物置のピアノ」~奏で続けるふるさとへの思い(福島県、東京都、仙台市)

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こんにちはエムです。

私は先日、ある映画の試写会に行きました。
タイトルは「物置のピアノ」

手元のチラシには、女の子が立ったままピアノに触っていました。
まだ幼さが残るその横顔は、愛おしそうにピアノを見つめています。
「物置」と「ピアノ」の間にある物語を思い、早くもその映画に心惹かれた私は、いそいそと会場に向かいました。

(画像提供:「物置のピアノ」制作委員会)

映画の舞台になっているのは、福島県伊達郡桑折町(こおりまち)。
宮城県との県境に近い、福島市の北に位置する小さな町です。
果物の生産が盛んな桑折町は、特に質の高い桃の生産地として知られ、20年連続で皇室・宮家への献上桃として指定を受けていたほどでした。

映画は、そんな美しく小さな町、桑折町やそこで暮らす人々の穏やかな日常を追いながら、確実にそこに存在し続ける東日本大震災の傷跡をも描いています。


〈ストーリー〉
東日本大震災から1年4カ月が経過した2012年7月。
高校3年生の宮本春香は、物置でピアノを弾いていました。

「あの子、物置から出てこないのよ」
春香の母親が心配して父親に嘆く通り、暇さえあれば物置でピアノを弾く春香。

(画像提供:「物置のピアノ」制作委員会)

優秀で何でも器用にこなしてしまう人気者の姉へのコンプレックスや、5年前に幼い弟を亡くした悲しみ、自分への許せない気持ちなどを抱えた春香。
誰にも本当の気持ちを言えない不器用で臆病な性格の春香にとって、物置でピアノを弾くことは唯一、安らぎを感じられる時間だったのです。

そんなある日、東京の大学に通う姉の秋葉が突然帰って来るのですが、そこから物語はスピードを上げて展開してゆきます。

(画像提供:「物置のピアノ」制作委員会)

姉と妹の葛藤を軸に、震災後、風評被害に苦しみ、痴呆の症状が現れた桃農家を営む春香の祖父や、浪江町から避難し転校して来た、仮設住宅に住む同級生の少年との気持ちの交流などが交錯して物語は進みます。
だんだん明らかになる物置に置かれたピアノの理由や、春香が静かに抱く音楽への情熱など、実に多彩な出来事を、多彩な登場人物の心の動きと共に丁寧に描いています。

(画像提供:「物置のピアノ」制作委員会)

しかし、自分を見失い、迷い、もがき、なんとか前向きに生きようと懸命に生きる登場人物たちは、紛れもなく私たち自身の姿。ごく普通の人々です。

(画像提供:「物置のピアノ」制作委員会)

オーディションで選ばれた春香役の芳根京子さんのピアノの腕前は素晴らしく、瑞々しく自然な表情は魅力的で惹き付けられます。
そして脇を固めるベテラン俳優陣がドラマに厚みを与えています。中でも祖父役の織本順吉さんの演技は圧巻です。

この映画は決して何かを声高に訴えているわけではありませんが、見た人が何に関心があるのかによって、違った視点が生まれ、違った気付きがあるようでした。
そして日本社会が抱えるいくつもの問題点、さらに「本当の幸せとは」という人生の命題を浮き彫りにしてしまう要素を持った、長く、多くの人に見てもらいたい映画です。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

「物置のピアノ」製作委員会、配給・宣伝プロデューサーの岡元一徳さんが、映画について語ってくださいました。

宮崎県出身の岡元一徳さん。
「宮崎での上映会では、生産者と消費者が語り合うパネルディスカッションと
生産者の野菜の販売を組み合わせ、好評でした

「仙台では初めての試写会です。

この映画は、メッセージ性の強い作品でありながら、自らの意見を強く主張するものではありません。
被災地の現状を優しく届けることで、見ていただいた方が被災地へ思いを馳せ、何らかの支援を考えていただく。見た人が被災地とつながるようなきっかけになると良いなと考えています。
そのためには劇場の公開だけではなく、小さな会場で地道に活動をすることで、本当の意味での『映画を使った復興支援』にしたいと考えました。

いままで上映したのは主に関西や関東などです。
会場は文化センターのような大きな場所から、学校、幼稚園、公民館、小さいところではカフェでもやりましたが、集客は平均して200名くらいでした。

他にもオーストラリア・ロンドン・ボリビア・イタリアなど海外でも上映しましたが、現地にいる福島県人会の方々が、「なんとか自分たちの福島の現状を海外の人に伝えたい」そういった思いで人を集め、主催してくださって上映会を開催してきました。

そういったたくさんの方々の尽力のおかげで、今までやってこれました。
これからは西日本だけではなく東北でも、是非ともたくさんの方々に見てもらいたいと考えています。
小さい上映会でも結構なので、進めていきたいと思っています。


震災からまだ4年しか経過していない現在、復興はまだまだ終わっていません。
しかしいつの間にか日本は、今の政権による経済成長やオリンピック開催の話が最優先になり、被災地のことを記憶の外に置きつつあるように感じます。

我々がこの活動を推進するのは、物質的な支援だけではなく、被災地の方々は何を本当に望んでいるのかを考え、もっと寄り添うきっかけにしてほしいのです。

なぜこの映画の上映会を推進するのか……それは「あの日の出来事を忘れないため」なんです。

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「物置のピアノ」製作委員会からもう1人、プロデューサーの橘内(きつない)裕人さんが映画製作について語ってくださいました。

福島県福島市出身の橘内裕人さん

この作品は2010年からスタートしていました。
途中で震災が起こってストップしていたんですが、地元に戻って来て友人の話を聞いたり、故郷の姿を見たり、家族の状況も見て、自分に何かできる事はないかと考えました。

その時は学生上がりでお金もなかったんですが、その中止していた映画を地元の人たちと一緒に作ることで地元の人たちも元気になってもらい、映画の中のその元気を全国に配信していけないか……そう思って再びスタートしました。

そして町の人たちを巻き込んで、一緒にスタッフとして作ってもらったんですが、公民館を貸し切って主婦の方に集まってもらい、毎日30人くらいの皆さんに炊き出ししてもらいました。
すると農家の人から野菜をもらったりして、他の現場を知っている映画スタッフも、「ここの現場はご飯が楽しみだ」ととても喜んで好評でした。

映画に関わることで「スタッフと町の人」、「町の人と町の人」、今まで知らなかった人同士が話す機会が増え、親しくなりました。そんな当時の様子がフィルムに焼き付いている部分が見えます。

撮影当時は今よりももっといろんな問題の影響が強い時期でしたが、そういうことで動いていた人間が、その時の福島にいたんだよと、伝えたいです。
そして今でも笑顔で暮らしている人がいることを見てもらいたいです。

でも本当の映画作りの原点は、それを見た自分の近しい人に、笑って楽しんでほしい……少しでも気分を紛らすことができれば……という思いです。

「我々のプロジェクトは被災地への文化的な復興を支援すると同時に
次世代の子どもたちに継承できるような、『住みやすく希望の持てる
新たな価値を創造すること』を目的としています」

最後に岡元さんは言いました。
「この映画を見た人は、『懐かしい』『子どもや孫に見せたい』と感想を言ってくださいます。
多くの皆さんが求めているのは、被災地のための映画というよりもこういうことかな……と思って我々は宣伝のコピーを変えました。
これは『ふるさとの映画』です

☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆

この映画は、映画による被災地復興支援プロジェクト「あとから来る者のために」(仮)として、上映会場を募集しています。

これは、「物置のピアノ」をより多くの人に見てもらうことによって、まだ多くの課題を抱える被災地への支援につながることを目的に立ち上がった、映画によるプロジェクトです。
上映会収益金の一部は【風評被害の残る桑折町の農家の生産活動】、そして【「被災地へピアノをとどける会」の活動支援】として寄付されます。

「被災地へピアノをとどける会」は以前ココロプレスでも紹介しましたが、“ピアノが結んだ縁” でこの映画とつながり、今回の試写会は「ピアノをとどける会」の事務所がある、仙台中央音楽センターで行われました。

多くの方が興味を持ち、この作品が上映されることで支援につながります。
団体、個人、自治体、学校など、上映を希望の方は、「アルファテックス株式会社」までご連絡ください。
上映機材や集客方法など、分からないことは何でも相談できるそうです。


◆ 連絡先
アルファテックス株式会社
〒101-0047 東京都千代田区内神田1-3-9
電話:03-5577-6504 FAX:03-5577-6586

◆ 「物置のピアノ」公式サイト
http://www.cinemanest.com/monookinopiano/


「被災地へピアノをとどける会」これまでの記事
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その1[発足編]
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/03/1.html
その2[活動編]
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/03/2.html
その3[手紙編]
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/03/3.html
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(取材日 平成27年7月8日)

開設から46年。新しい夏を迎えた神割崎キャンプ場(南三陸町)

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石野葉穂香です。

南三陸町にある「神割崎」という場所をご存じでしょうか?
南三陸町と石巻市の市町境付近の海岸にある、巨人の斧で割りさかれたような大きな岩山の岬。

うららかな志津川湾の風景とは一線を画す、荒々しい海岸の奇勝です。
外洋に突き出した岬に、太平洋の荒波がたたきつけ、岩の裂け目をくぐり抜けた波が、轟きとともに断崖下の狭い石の浜に押し寄せて来て、波打ち際の小さな空間は、まるで雷声に包まれたよう。
満潮時には、砕け散った波が降りかかってくることもあります。

神割崎は、三陸復興国立公園(旧・南三陸国定公園)の見どころの一つ。
真っ二つに割れた大岩の間から波が押し寄せてきます
この地には、こんなお話が残されています。

江戸時代の宝暦年間、ここに打ち上げられた一頭の鯨の分け前をめぐって戸倉と十三浜の人たちの間にいさかいが起きてしまいました。

ところが、互いに譲らず言い争っていた3日目の夜、突如、雷鳴が轟き、落雷が、鯨もろとも岩をも真っ二つに割ってしまいます。

「これは、争いを止めよとの神様のお告げに違いない」

両村の人たちは仲直り。ここを村境と定め、鯨も分け合いました。
そして、今日、それぞれ違う市町に編入されても、両地区の人たちの交流は親しく続けられています。

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神割崎の南三陸町側には、昭和44年に開設された「神割崎キャンプ場」があります。
開設から今年で46年目。県下でも屈指の老舗キャンプ場です。

場内には第1~第4キャンプ場とオートキャンプ場があります。写真は第3キャンプ場のテントサイト。
フラットなテント設営スペースとコンロ、ベンチ、テーブルがあります。
そして眼下には海。波の音が聞こえてきます

一般サイトのほか、オートキャンプサイトも備えた本格派。
お客様は仙台圏の方が多いとのことですが、関東や関西などからやって来て、ここを拠点として三陸観光を楽しんだり、町内でボランティア活動を行う方も多いそうです。

7月10日、この神割崎キャンプ場の中心施設である「神割観光プラザ」がリニューアルを済ませ、グランドオープンを迎えました。

同キャンプ場は、今年4月から指定管理業者が一般社団法人南三陸町観光協会に代わり、観光協会に所属する若者3人が現地スタッフとして活躍中。
キャンプのトップシーズンとなる夏を初めて迎えています。

観光協会が主催したグランドオープンセレモニー。
関係者が集まって、神割崎キャンプ場の新しい船出を祝いました
この日のグランドオープンは、観光協会が指定管理者となったことから、観光プラザの内装や備品、そしてプラザ内で営業する「レストラン神割」のメニューを一新し、関係者にお披露目をする式典。

管理スタッフで料理長でもある及川渉さんが紹介してくれた新メニューは、南三陸産の旬菜旬魚をひと皿の中に盛り込んだ「神割プレートランチ」。

季節ごとに届けられる海と山と里の恵みが、真っ白なお皿の上で出合います。
海や畑と相談しながら、おいしい景色を描き出す、南三陸町ならではの一品です。

「神割崎ランチプレート」(1000円)
南三陸町内で採れた多くの食材がワンプレートの上に
キャンプ場のスタッフは、レストラン担当の及川さん、そしてキャンプ場の管理を担当する三浦陵平さん、山田虹太郎さんの3人。
全員が、今年4月1日付で、キャンプ場の運営管理役に配属された「新人さん」です。

「1カ月は開設準備に追われました。GWになってキャンパーの皆さんの受け入れを開始。サイトはほぼ埋まりました。そして、初めて迎えた夏のトップシーズン。まだまだ分からないことだらけ。大変だし、不安です。でも、楽しくやっていきたい。それが一番です」
と話すのは、キャンプ場の管理を担う三浦さん。

縁あって大阪から南三陸へやって来て、観光協会のスタッフとなった最年少の山田さんと一緒に、広いキャンプ場の設備管理や草刈り、清掃などに大忙しです。

場内には南端岬、漁り火岬、恋岬、出逢い岬、母恋岬、待つ妻岬・・・
というロマンチックな名前を持つ6つの岬があります。
写真はそのひとつ・恋岬
海辺の高台に広がるキャンプサイト。
外洋に面した断崖の岩に砕ける波の音は、リアスの海ならではの豪快な轟きです。
そしてウミネコの声、松葉を揺らす風の音・・・。

大昔から変わらない「地球の息吹」が間近に感じられる場所でもあります。

母恋岬の下にある小さな浜。
向こうに見えるのはウミネコたちの住み処となっている松島です
若い3人は、「この場所を南三陸にやってくる人たちと、地元の人たちとの交流の場にしたい」と張り切っています。

「例えば、手ぶらでやってきてバーベキューができたり、芋煮会が開催できたり、レストランでの食事をセットにしたキャンプが楽しめたり・・・。
また、地域を紹介する展示企画や物販、用品のレンタルといった企画を考えて、キャンプシーズン以外にも、神割崎に足を運んでもらえたらと考えているところです」と三浦さん。

第1キャンプ場前の東屋から見た太平洋。
水平線から昇ってくる朝日と向き合える場所
及川さんも
「地域情報の発信という点から言うと、ここ戸倉地区はちょっと弱い部分があります。まずは戸倉地区の皆さんと一緒に、地域のよさをもっと見つけていきたいです」

「神割崎は南三陸町の南の玄関口。石巻へもいちばん近い地区です。そして東北地方では数少ないペット同伴が可能なキャンプ場でもあります。家族で、そしてペットと一緒にゆっくり滞在してもらえたら」

バーベキュー広場。バーベキューはもちろん、炊さんや芋煮会などにも使えそう。
なお、薪や炭は観光プラザで販売しています
町の産業振興課観光振興係長の宮川舞さんにもお話を伺いました。
「ここは、津波被害を免れた、町にとっても貴重な場所。震災前の記憶や文化が残されています。地域コミュニティの場として、そしてビジターにも地域の魅力をたくさん感じてもらえる拠点として、たくさんの人たちと繋がっていける場所として利用していただけたらと思っています。
オフシーズンの企画に関しても、彼ら若いスタッフの感性とアイデアに期待しています」

こちらは定番のシーサイドカレー(800円/サラダ付き)
カレールーの中に茎ワカメが隠れています。おいしい!
夏休みシーズンの予約は「オートキャンプは、土日はもうほとんどいっぱいですが、フリーサイトはまだ空きが あります」とのこと。
キャンプばかりでなく、イベントなども開催される予定だそうです。

オートバイ愛好家たちの集い、高校生のボランティアキャンプ、子どもたちの自然体験、音楽イベント(予定)、9月の連休に開催されるツール・ド・東北関連の催事・・・。

また、8月13日には、以前「ココロプレス」で取材した埼玉県の「ゆるふわボランティア団体 ボーズ」のメンバーの「アウトドアウェディング」も、キャンプ場で行われます。

「南三陸町の皆さんと一緒に楽しみたいです。式には、ぜひ地元の方にも遊びに来ていただけたらと思っています」と、ボーズのリーダー佐々木元康さんからもメッセージを頂きました。
ボーズに関する過去記事はこちらです

2014年10月5日(日曜日)
人懐っこさが継続力の源 ボランティアチーム『ボーズ』の活躍 (南三陸町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/10/blog-post_5.html

2015年3月4日(水曜日)
マイティハート ブレイブハート(南三陸町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/03/blog-post_4.html


前列向かって左側のお二人、伏木啓子さん(ピンク)と神夏磯俊介さん(グリーン)が
8月13日、神割崎で結婚式を挙げられます。
森や公園、牧場、海辺など、さわやかな自然美の中で愛を誓い合うアウトドアウェディングは、近年、新しいスタイルの結婚式として人気を集めています。

神様が、2つの村の仲を取りもち、厚い情宜で結んでくれた神割崎キャンプ場は、そんな式典の会場として実にぴったり。ステキな場所なのです。

アウトドアウエディングが、これから神割崎キャンプ場を売り出していく上で、目玉企画になれたら・・・と、私、石野も大いに期待しているところです。

またレポートしたいと思います。

最後に、スタッフのお三方からひと言ずつ頂きました。

「戸倉の魅力発信!」
左から三浦陵平さん、山田虹太郎さん、及川渉さん。
ちなみにお三方とも独身です
三浦「楽しくにぎやかな夏にしたいです!」
山田「たくさん楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を発信していきたいと考え中!」
及川「お客さんも、そして僕たちスタッフも楽しみたい!」

神割崎に新しい夏がやって来ました。

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【神割観光プラザ(神割崎キャンプ場管理センター)】
所在地/〒986-0781 宮城県本吉郡南三陸町戸倉字寺浜81-23
電話/0226-46-9221
キャンプ場利用期間/4月1日~11月末日(レストランは通年営業)
レストラン営業時間/11:00~15:00(ラストオーダー14:30/火曜日定休)

一般社団法人南三陸町観光協会HP
http://www.m-kankou.jp/

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(取材日 平成27年7月10日)

第64回 気仙沼みなとまつり開催のお知らせ(気仙沼市)

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こんにちは。kaiiです。

夏本番を告げかのように「ミンミンゼミ」が大合唱を始めた気仙沼です。

気仙沼市最大のイベント「第64回 気仙沼みなとまつり」が、平成27年8月1日、2日の2日間開催されます。

気仙沼の夏のごちそう、「マンボウ」「ホヤ」「モウカのホシ」「カツオ」などのおいしいものと気仙沼の粋「気仙沼みなとまつり」を楽しみの気仙沼にお出掛けください。

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第64回 気仙沼みなとまつり




日程:平成27年8月1日(土)午後4時30分~午後8時

会場:気仙沼市田中前大通り

内容:オープニングセレモニー
    午後4時30分から午後5時15分まで
    気仙沼市田中前 北日本銀行気仙沼支店前 特設ステージ
    
    一般社団法人 気仙沼青年会議所 「銀鱗太鼓」披露
    あいさつ 気仙沼みなとまつり委員会 大会会長  菅原茂 気仙沼市長 

   はまらいんや踊り
   午後5時30分から午後8時まで
   気仙沼市田中前大通り

気仙沼市内の学校やサークル、自治会など57団体 約3200人が参加して、「はまらいんや踊り」を踊ります。

*8月1日午後4時から午後9時まで交通規制が行われます。ご確認の上、お出かけください。



日程:平成27年8月2日(日)

(昼の部)午前10時45分から午後1時30分まで

会場:三日町・八日町・南町
内容:街頭パレード
    (気仙沼郵便局前交差点からミヤコーバス南町案内所バス停)


平成26年 みなとまつりのパレードの様子
出発式     午前10時45から午前11時15分
    街頭パレード 午前11時15分から午後1時30分まで

(夕の部)午後5時から午後8時30分まで

会場:気仙沼湾内、港町臨港道路
内容:打ちばやし大競演(港町臨港道路特設会場)午後5時から午後8時30分

    海上うんづら   (港町・内湾海上)


平成26年の気仙沼みなとまつり
海上うんづらの様子
第1部 停船演技 午後5時から午後7時
    第2部 運航演技 午後7時15分から午後8時
   
    大流灯       (内湾海上)

    海上打ち上げ花火(気仙沼湾内)

平成26年気仙沼みなとまつりの海上打ち上げ花火の様子
(打ち上げ時間)
    午後8時から午後8時30分



*時間帯によって交通規制が行われます。ご確認の上お出掛けください。

*詳細は下記よりご確認ください
http://www.kesennuma.or.jp/minatomatsuri/index.html


問い合わせ先:気仙沼みなとまつり委員会事務局
          気仙沼商工会議所 電話(0226)22-4600
          1日)田中前会場 まつり本部(0226)24-0228
          2日)港町会場   まつり本部(0226)23-0745

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無料のシャトルバスなども運行される予定です。
毎年、「気仙沼みなとまつり」を楽しみにしているという80代の男性は「震災後、会場が港から離れた場所になっていて『みなとまつり』らしくないと思っていたが、昨年から、内湾地域でお祭りの一部が開催されるようになりうれしくです。たくさんの人に「みなとまつり」に来てほしいです」と話しています。

今年は、カツオが豊漁です。生鮮カツオ水揚げ日本一の気仙沼港のカツオを花火を見上げながら楽しんではいかがでしょうか。

(取材日 平成27年7月24日)

一人でも入りやすいコーヒーとカレーの店として再出発しました(南三陸町)

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暑中お見舞いもうしあげます。kaiiです。

今年は、九州、四国地方で例年より降水量が多くなっています。土砂災害などで被害が起こらないことを祈ります。
熱中症にもご注意ください。

東日本大震災前、内田智貴さんは、南三陸町志津川駅前で、「アリウープ」という飲食店を経営していました。
おしゃれな店づくりとお料理で地元では人気でした。

一人でも気軽に立ち寄れる店
カレーとコーヒーの店「月と昴」の内田智貴さん

「アリウープ」は東日本大震災の大津波で流出し、自宅も全壊しました。
避難先の志津川高校では、志津川高校に避難した地元の人たちのために、家族と共に炊き出しのボランティアをしました。
その時の仲間たちと、「集える場所」つくりに取り組み、平成24年1月から平成26年1月の閉店まで「さんさカフェ」の営業に加わりました。


平成26年、内田さんは「南三陸さんさん商店街」に新しい店「月と昴」を開店しました。
「さんさカフェ」時代に広島県福知山市から仕入れていたおいしいコーヒー豆で淹れるコーヒーと、「さんさカフェ」で人気だったカレーをお客様に提供するお店です。



内田さんの作る、は、スパイスと野菜のうまみのバランスが良く、優しい味のスープ状のカレーです。子どもや女性を中心に人気です。

「月と昴」人気の逸品「カレー」
中でもハムカツカレーは人気の逸品です。
揚げたてのハムカツに人気のカレーをかけた「ハムカツカレー」を目当てに、午後5時を過ぎころから地元の人や工事関係者などで店内はにぎわいます。
内田さんは、「1歳児でも食べられるように食材を細かく刻み、辛味は抑えながらもカレーのうまみを大切にしています。ぜひ食べに来てください」と自信をのぞかせます。


「月と昴」の店内は、お客さんが一人でも気軽に入れるようにデザインされています。
「月と昴」という店名は、内田さんの好きなアーティスト「モモナシ」の楽曲の曲名から名づけられました。


内田さんは、「南三陸町に初めて来たお客さんが気軽に入れる店として営業しています。
休憩時間も設けていません。」

「お客さんには、いつでも気軽に、おいしいコーヒーとカレーを味わっていただきたいです。南三陸町の自然をイメージしたソーダも人気です。」と内田さんは話しています。

内田さんは、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた南三陸町が、魅力溢れる町に復興し、南三陸町に住む人が増え、町ににぎわいが戻ることを願っています。

今後は、平成28年に完成する予定の新しい商店街に入居し、コーヒーとカレーだけでなく、パスタなどもメニューに加え、誰もが気軽に入れる「純喫茶店」の経営をしていきたいと話します。

月と昴
https://www.facebook.com/tsukitosubaru2014
電話:080-3338-0990

(取材日 平成27年6月17日)

森と海と温かな人に囲まれた子どもの学び場「MORIUMIUS」7月18日オープン(石巻市雄勝町)

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こんにちは、Chocoです。

子どもたちは待ちに待った夏休みです。皆さんが小学生だった○十年前は、どんなことをしていましたか。
私が夏休みで一番楽しみにしていたのは、林間学校です。
夏休みになると3泊4日の林間学校に参加しました。
その時に出会う仲間とともに森の中で思いっきり笑って、思いっきり走りました。
転んでも虫に刺されても、汗臭くても平気なくらい、思いっきり遊びました。
何よりも麦茶やはんごうで炊くごはんが最高に美味しく感じたのを覚えています。
そして大自然を相手に遊ぶ中で、普段の生活では気づかないさまざまな「有り難み」を感じることができました。

そんな懐かしいことを思い浮かべながら訪れたのは、石巻市雄勝町の桑浜です。

石巻中心地から車で約1時間。
雄勝町の中でも最東端にある桑浜に、子どもの学び場「MORIUMIUS(モリウミアス)」が誕生しました。
MORIUMIUS=森と海と明日へ。
雄勝の豊かな森と海をフィールドに子どもたちの未来、
町の未来をみんなで作っていくという想いが込められた名称です。

学びの場の舞台となるのは、旧桑浜小学校です。
1923年に設立されましたが、少子高齢化が進む中、
13年前の2002年3月に閉校しました。
どこかホッとさせる雰囲気がある校舎は、
木造平屋、屋根には雄勝町の名産品の硯の資材でもある雄勝石のスレートが使われています。

そして、閉校した13年前と変わない姿で残っていました。震災で町の8割が壊滅した雄勝町の中でも山の中にあった桑浜小学校は、老朽化は進んでいたものの津波の被害を免れました。
そんな桑浜小学校の存在に注目して、雄勝町を中心に被災地の子どもたちを笑顔にする支援活動に取り組んでいた公益社団法人sweet treat311と地元の方々が協同で「ぬくもり実行協議会」を結成しました。
2013年4月には「雄勝学校再生プロジェクト」が本格的に立ち上がり、学校の改修作業が始まりました。

プロジェクトが始まって2年半。
学びの場を作るため、日本中、世界中から約5,000名もの人が雄勝町に集まりました。

閉校した小学校と海の幸、森の幸に恵まれたこの地が、子どもたちの学びの場として、また地元の人たちの集いの場として、そして日本、世界各地から来る人たちとの交流の場として生まれ変わりました。
そして今夏、
子どもたちを中心に寝泊りをして学ぶプログラムが行われます。

森と海に恵まれた豊かな自然の中で、循環する暮らしを体験、
雄勝町に受け継がれてきた、土地と人の物語を体験、
ここに集まる人たちに触れて、さまざまな多様性を体験する環境で、
子どもたちの中にあるたくましい心を育てます。
山は、景色も最高なだけでなく、ちょっと登っただけで、おいしい食べ物も見つかります。
ブタ小屋です。
子どもたちが飼育をする体験も予定されています。
育てることによって、愛でる気持ち、命のありがたみを感じられます。

自分たちが切っ た薪で火をおこして自炊をしたり、
山から流れる清水が流れる蛇口があったり、
電気もガスも使わない生活の原点が体験できます。

7月12日には、一足早く雄勝町民を迎えてのお披露目会が開かれました。

「いや〜うれしいです。
廃校になればそれで終わりと言うイメージがみんなあったと思うけど、
まさかこういう風にまたみんなが集まれるような場所によみがえるとは思いませんでした。
本当にありがたいです」
雄勝町で生まれて、この桑浜小学校で育った地元のお母さんは笑顔でお話ししてくれました。
「桑浜小学校の卒業生の方は、いらっしゃいますか」
と主催者が声を掛けると、パッと手が挙がりました。
子どもたちを中心とした学びの宿泊型プログラム以外にも、10時から15時までは、食堂が無料開放され、地元の人たちはお茶のみやお話をしに集まることができます。
また15時から18時の間は、薪で焚くお風呂も自由に入ることができます。

そして年に1度は、ここで地元の人、町外の人との大運動会が開催されています。

ここは、学ぶだけでなく、子どもたちや町外の人たちと地元の人たちとの交流の場でもあるのです。

「廃校が残っていることを知って、雄勝町のために何かできることはないかと考えました。
これからもずっと地域の方と、雄勝が好きで雄勝に行ってみたいと思う人がどんどん増えることがMORIUMIUSの価値だと思っています。
ここに集まる人同士の関係性を大事にしていきたいです」
フィールドディレクターの油井元太郎さんがMORIUMIUSの説明会の際に、
来場者に向けてお話ししました。

そしてついに7月18日。

桑浜小学校が13年ぶりに再び子どもが集う場所へとよみがえりました。
そして、夏休みに入った子どもたちが学びにやって来ます。
1週間のプログラム「モリウミアスの森と海をじっくり味わう」
山と海がつながる自然の中で森や海、田畑、料理の体験や住民との交流、英語を使ったプログラムなど、自然と人を満喫する1週間です。

「豊かな森。美しい海。健やかな空。
全てがMORIUMIUSの学ぶ場です」
雄勝の森と海の絶景は、訪れるたびに癒されます。
そして、何よりも雄勝の人たちが私は大好きです。
心が温かく、揺るがない強さを持っている人が多くいます。
そんな人たちと交流できる機会は、子どもたちにとっても素晴らしい経験になるのは間違いありません。
今年の夏、長く眠っていた校舎で久しぶりに子どもたちの声が響きます。

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MORIUMIUS(モリウミアス)
「雄勝学校再生プロジェクト」
公益社団法人sweet treat 311
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(取材日 平成27年7月12日)
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