こんにちは。けいこです。
東日本大震災の発生からもうすぐ1年9カ月になろうとしています。
まだまだ復興への道のりは遠いですが、被災地から遠く離れた場所では今、岩手や宮城、福島はどのように映っているのでしょうか。
震災発生当時から被災地を思い、仙台に移り住んで復興支援活動に励んでいる方がいます。
「アーキエイド」という団体で、地域支援インターンとして活動をしている犬塚恵介さんです。
犬塚さんは以前、名古屋市にある設計事務所に勤務し、建築の設計監理に携わっていました。
入社から4年半が経ち、独立や新しい分野への挑戦を考え、人生の岐路に立っていた中で起きた東日本大震災。
被災地への思いが大きくなると同時に、犬塚さんの人生や生き方に大きな影響を与えます。
「地震が起きた当初から、被災地で復興支援をしたいと考えていました。自分が今までやってきた“建築”の経験を生かして何かできないだろうか。やらなかったら一生後悔する。そんなことを思っていました」
やるなら今しかない。
復興を推し進める人たちの姿に後押しされるように退職を決意。
自らの次なるステップへと進むと同時に、復興支援に携わるようになりました。
「震災が起きたことは本当に悲しいことですけど、自分にとって、復興で頑張る人たちの姿を見なかったら、ずっと人生について悩んだままだったかもしれません。復興に携わっている人の“前に進んでいこうとする姿”には本当に勇気づけられました。その分、恩返しとして被災地でできることをしていきたいです」
仙台へ来たのは今年9月。
実践的な活動を始めてからまだ2カ月しかたっていませんが、遠方にいる時には分からなかったことがいろいろと見えてくるそうです。
「最初は、まだこんなところまでしか復興が進んでいないのか…という印象でした。名古屋にいた時には、もっと進んでいるものだと思っていたので…。津波が及ぼした被害の大きさをあらためて感じました」
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犬塚さんがインターンをしているアーキエイドという団体は、数々の復興支援活動をサポートするプラットフォームとして建築的な視点から復興を考えています。
震災直後から国内外を問わず建築家や建築関係者のネットワークを広げ、被災地での復興活動を支援してきました。
世界的に有名な建築家をはじめ、大学で建築を教える教授とその研究室の学生なども支援に当たり、継続的に被災地で支援ができるような体制を構築しています。
昨年と今年の夏には現地に泊まり込みで牡鹿半島を調査するなど、地域の住民ととても近い距離で活動を続けています。
そんな中で、インターンとしての役割とはどんなものなのでしょうか。
「今はだいたい週に1、2回のペースで仙台から石巻市や牡鹿半島に通って、災害復興公営住宅のあるべき姿について考えています。災害復興公営住宅についてはまだまだこれから検討することが多いので、その手助けになれるように積極的に動いていきたいです。行政と被災した方々の間をつなぎ、復興活動に携わってきた人たちの潤滑油のような存在になれればと思っています」
牡鹿半島の第一印象は、景色が奇麗で食べ物もおいしい。
そして人がとにかく明るく優しい、と感じたそうです。
そんな豊かな自然、魅力的な人々にあふれた牡鹿半島の復興は始まったばかり。
被災地への目線と、遠方への目線を持ち合わせ、フレキシブルに活動を続けます。
短い期間では、長い復興の中で何の役にも立たない気がすると感じ、当初活動期間として考えていた半年から延長して、活動を続けることも考えているそうです。
街の復興のためだけでなく、1人1人が幸せな生活を取り戻せるように力を尽くしたいと話してくれました。
被災地での活動を終えて仙台から離れたとしても、離れた場所でできる支援をこれからも探して続けていきたいという犬塚さん。
恩返しがしたい、という思いはこれから先も続いていきます。
ちなみに犬塚さんのご両親は、“被災地での活動を続ける息子を応援することが自分にできる復興支援”だと考えているそうです。
遠く離れた地で被災地を思い続けること、被災地で頑張る人たちを応援・支援することも、被災した方に寄り添う支援の1つの形と言えるのかもしれません。
そしてこの支援は、被災者にとって、とても大きな励みになるはずです。
復興する日まで、問題は山積みです。
しかし、その1つ1つを乗り越えた先に見える新しい街の姿を、多くの人たちに待ち望んでいてほしいと思います。
そのためにも、このココロプレスを含め、被災地から発信される情報を遠くにいる方にもたくさんキャッチしてもらい、いつまでも支援と感心の目を向けてもらえるといいなと思います。
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アーキエイドでは、地域支援インターンを募集しているそうです。
地域まちづくりに関わる職業に就きたい、自分がどのように社会に貢献できるのかを模索しているという、建築を学ぶ学生や社会人の方は、犬塚さんのような地域支援インターンとしてアーキエイドの活動に参加してみてはいかがでしょうか。
仙台と牡鹿半島を往復する中で実務を通し、日々変化する震災後の動きが見えてくることと思います。
職務内容はインターン開始時期や期間、スキルなどによって決定されるということです。
詳しくは、contact@archiaid.org までお問い合わせをしてみてください。
(取材日 平成24年11月19日)
東日本大震災の発生からもうすぐ1年9カ月になろうとしています。
まだまだ復興への道のりは遠いですが、被災地から遠く離れた場所では今、岩手や宮城、福島はどのように映っているのでしょうか。
震災発生当時から被災地を思い、仙台に移り住んで復興支援活動に励んでいる方がいます。
「アーキエイド」という団体で、地域支援インターンとして活動をしている犬塚恵介さんです。
牡鹿半島の住民説明会の様子(左:犬塚さん) photo:伊藤寿幸/Toshiyuki Ito |
犬塚さんは以前、名古屋市にある設計事務所に勤務し、建築の設計監理に携わっていました。
入社から4年半が経ち、独立や新しい分野への挑戦を考え、人生の岐路に立っていた中で起きた東日本大震災。
被災地への思いが大きくなると同時に、犬塚さんの人生や生き方に大きな影響を与えます。
「地震が起きた当初から、被災地で復興支援をしたいと考えていました。自分が今までやってきた“建築”の経験を生かして何かできないだろうか。やらなかったら一生後悔する。そんなことを思っていました」
やるなら今しかない。
復興を推し進める人たちの姿に後押しされるように退職を決意。
自らの次なるステップへと進むと同時に、復興支援に携わるようになりました。
「震災が起きたことは本当に悲しいことですけど、自分にとって、復興で頑張る人たちの姿を見なかったら、ずっと人生について悩んだままだったかもしれません。復興に携わっている人の“前に進んでいこうとする姿”には本当に勇気づけられました。その分、恩返しとして被災地でできることをしていきたいです」
仙台へ来たのは今年9月。
実践的な活動を始めてからまだ2カ月しかたっていませんが、遠方にいる時には分からなかったことがいろいろと見えてくるそうです。
「最初は、まだこんなところまでしか復興が進んでいないのか…という印象でした。名古屋にいた時には、もっと進んでいるものだと思っていたので…。津波が及ぼした被害の大きさをあらためて感じました」
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犬塚さんがインターンをしているアーキエイドという団体は、数々の復興支援活動をサポートするプラットフォームとして建築的な視点から復興を考えています。
震災直後から国内外を問わず建築家や建築関係者のネットワークを広げ、被災地での復興活動を支援してきました。
世界的に有名な建築家をはじめ、大学で建築を教える教授とその研究室の学生なども支援に当たり、継続的に被災地で支援ができるような体制を構築しています。
昨年と今年の夏には現地に泊まり込みで牡鹿半島を調査するなど、地域の住民ととても近い距離で活動を続けています。
住民の声を拾い上げ、地図に記入していきます。 photo:恋水康俊/Yasutoshi Koimizu |
最終日には、全住民を対象に まとめあげた案を発表。 photo:恋水康俊/Yasutoshi Koimizu |
アーキエイドで提案する「コアハウス」。 牡鹿半島の風土、産業などに合った、最少の家を提案しています。photo:恋水康俊/Yasutoshi Koimizu |
そんな中で、インターンとしての役割とはどんなものなのでしょうか。
「今はだいたい週に1、2回のペースで仙台から石巻市や牡鹿半島に通って、災害復興公営住宅のあるべき姿について考えています。災害復興公営住宅についてはまだまだこれから検討することが多いので、その手助けになれるように積極的に動いていきたいです。行政と被災した方々の間をつなぎ、復興活動に携わってきた人たちの潤滑油のような存在になれればと思っています」
PechaKucha ×ArchiAid にてプレゼンテーションをする犬塚さん Photo:加藤和也/Kazuya Kato |
また、遠方の人たちにも被災地の現状を知ってもらうために、情報発信にも力を入れたいと言います。
「遠く離れた場所では、震災がどんどん風化しています。遠隔地でもできる支援の方法は、“被災地に関心を持ち続けること”だと思っているので、実際に被災地にいる人じゃないと分からない現状を発信する役割も担っていきたいです」牡鹿半島の第一印象は、景色が奇麗で食べ物もおいしい。
そして人がとにかく明るく優しい、と感じたそうです。
そんな豊かな自然、魅力的な人々にあふれた牡鹿半島の復興は始まったばかり。
被災地への目線と、遠方への目線を持ち合わせ、フレキシブルに活動を続けます。
短い期間では、長い復興の中で何の役にも立たない気がすると感じ、当初活動期間として考えていた半年から延長して、活動を続けることも考えているそうです。
街の復興のためだけでなく、1人1人が幸せな生活を取り戻せるように力を尽くしたいと話してくれました。
「幸せを取り戻すお手伝いがしたい!」 |
被災地での活動を終えて仙台から離れたとしても、離れた場所でできる支援をこれからも探して続けていきたいという犬塚さん。
恩返しがしたい、という思いはこれから先も続いていきます。
ちなみに犬塚さんのご両親は、“被災地での活動を続ける息子を応援することが自分にできる復興支援”だと考えているそうです。
遠く離れた地で被災地を思い続けること、被災地で頑張る人たちを応援・支援することも、被災した方に寄り添う支援の1つの形と言えるのかもしれません。
そしてこの支援は、被災者にとって、とても大きな励みになるはずです。
復興する日まで、問題は山積みです。
しかし、その1つ1つを乗り越えた先に見える新しい街の姿を、多くの人たちに待ち望んでいてほしいと思います。
そのためにも、このココロプレスを含め、被災地から発信される情報を遠くにいる方にもたくさんキャッチしてもらい、いつまでも支援と感心の目を向けてもらえるといいなと思います。
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アーキエイドでは、地域支援インターンを募集しているそうです。
地域まちづくりに関わる職業に就きたい、自分がどのように社会に貢献できるのかを模索しているという、建築を学ぶ学生や社会人の方は、犬塚さんのような地域支援インターンとしてアーキエイドの活動に参加してみてはいかがでしょうか。
仙台と牡鹿半島を往復する中で実務を通し、日々変化する震災後の動きが見えてくることと思います。
職務内容はインターン開始時期や期間、スキルなどによって決定されるということです。
詳しくは、contact@archiaid.org までお問い合わせをしてみてください。
(取材日 平成24年11月19日)